フルメタルパニック?ふもっふ

 今週、スカパーのチャンネル「フジテレビ721」の深夜枠にて集中放送されています。
 「フルメタルパニック」は以前、WOWOWのノンスクランブル枠にて放送されていました。
 フルメタルパニックは2001年10月からの放送開始予定でしたが、9.11同時テロの影響で放送が延期になってしまったという曰く付きの作品です。・・・テロリストを支援したり礼讃しているわけではなくて、反対にそれと戦う話だから、別に延期しなくてもよかったのではと私なんかは思いましたが。
 続編?の「~ふもっふ」の本放送は地上波でなおかつ関東地方など特定の地域のみでの放送でした。従って、それ以外の地域に住む私は視聴することができませんでした。
 今回、フジテレビ721で放送されるので、やっと見られることになります。
 WOWOWで放送されていた「フルメタルパニック」は、原作の長編を元にした物語でしたが、今回は短編中心だそうです。
 で、この「フルメタルパニック」にもお約束の人型巨大メカが登場します。作品では、AS(アームスレイブ)と呼ばれています。特に主人公の乗るASは「アーバレスト」という名称です。
 このアーバレストはラムダドライブと呼ばれる「人間の激情をエネルギーにして駆動する機構」が備わっています。
 ここで少し脱線です。
 オーバーテクノロジーという言葉があります。現在の人類が持つ以上の技術のことです。SF作品には必ずといっていいほど登場します。このオーバーテクノロジーの現れ方というのが、作品によって異なります。

1.もともと未来の人類ではその技術は開発されて所与のものとなっている。

2.その技術のもたらされ方が作品中で明らかにされているか、そのものがテーマになっている。

 例えば、「宇宙戦艦ヤマト」では、波動エンジンの設計図がイスカンダル星よりもたらされます。そのころの人類は高々太陽系の外縁部程度まで航行できる宇宙船を作るのがやっとだったのですが、波動エンジンを手に入れてから、ワープ航法などが行えるようになり、移動範囲が飛躍的に高まります。
 この場合は、太陽系外縁まで航行できる宇宙船を建造できる技術というのが所与のものであり、それに外部から波動エンジンというオーバーテクノロジーを手に入れるという形になっています。
 そう言えば、(また松本零士の作品ですが、)銀河鉄道999では、他の空間鉄道車両は所与の技術に基づいて作られているが、999のみオーバーテクノロジーを用いて作られたという説明がありました。
 機動戦士ガンダムでも、ミノフスキー理論とミノフスキー粒子が所与のものとしてあります。(これがあるから、長距離レーザー砲やレーダーなどによるBVR(Beyond Visual Range :視程外距離)攻撃ではなく近接攻撃が戦闘の主体となるんですよね。お互いが見えない遠方からレーダーとレーザーを使って攻撃しあうような戦闘ではアニメになりません。)
 ここで、元ネタに戻ってきます。
 フルメタルパニックでは、ASやラムダドライブなどの技術はウィスパードという人々によってもたらされたことになっています。ウィスパードとは、異星人や未来人などではなく、人類の中で特殊な能力を持った人々のことです。その能力とは、(さらに別の知的生命体が持っている)オーバーテクノロジーをテレパシーのように思考の中でキャッチし理解することができる能力です。別の知的生命体の「ささやきを聞く」ということから「ウィスパード(ささやかれし者)」と呼ばれています。ちょっとややこしいですよね。そうまでして、一般の世界にオーバーテクノロジーを持ち込みたかったんでしょう。そうすることで、物語のリアリティを高める効果を狙っているわけです。
 フルメタルパニックの世界では、技術的ひいては軍事的優位を得るために各国がウィスパードの確保に躍起になっています。また、テロリストなどもその技術を狙ってウィスパードを違法に拘束して確保しようとします。
 主人公は、ウィスパードであるヒロインの護衛のため彼女の通う高校に同級生として潜り込む、というところからこの話は始まっています。
 ま、「~ふもっふ」では、そういった堅苦しい話題はあまり出てこなくて、ただのどたばたお笑いですね。肩の力を抜いて見ていられます。