ラム/スクラムジェットエンジン実験成功

極超音速機がスピード世界記録=マッハ7で10秒間飛行-米

 【ワシントン27日時事】米航空宇宙局(NASA)は27日、極超音速飛行機「X43」の飛行テストをカリフォルニア沖上空で行い、時速7700キロメートル(マッハ7)を記録したことを明らかにした。「スクラムジェット」と呼ばれる吸気エンジンを使った実験機としては、世界最速のスピードを達成したことになる。(時事通信)

Yahoo!ニュースより

 宇宙往還機の実現に向けた技術的課題のうちのひとつ、極超音速での飛行に必要なエンジンの実験に成功したという話です。

 ロケットはその重量の大部分を燃料と酸素が占めています。そして、その燃料と酸素の大部分は大気圏内での燃焼に使われてしまいます。大気圏内を飛行するときはジェットエンジンを使って酸素を大気中から得ることができれば、その分機体の重量を減らすことができ、ペイロードの重量を増やすことができます。

 ところで、通常のジェットエンジンは圧縮機(タービン)によってエンジン前方の空気を圧縮して、燃料を噴射し燃焼させます。しかし、極超音速ではエンジン前方の空気は自然に圧縮されてエンジン内に流入しますのでタービンが必要なくなります。

 このタイプのジェットエンジンのことをラムジェットエンジンといいます。ラムジェットエンジンのうち、更に高速飛行を行うエンジンのことをスクラムジェットエンジンといい、実験が進められてきました。確か数年前、同じくNASAで同様の実験をしましたが、そのときは失敗してしまいました。

 今回やっと極超音速での飛行に成功したのです。マッハ7(7700キロメートル毎秒)は第1宇宙速度(大気圏脱出速度:秒速7.9km)の約4分の1です。しかし、今後実験を重ねて宇宙往還機の実用化に弾みをつけてほしいものです。

 ちなみに、ジェット機の飛行速度の記録は、今は退役したSR-71の出したマッハ3.2~3(くらいだったと思う。)でした。一挙に倍以上の速度を達成したことになります。

 それから、ウルトラセブンの歌で「マッハ7のスピードで、夜空の星まで行けるんだ~」とかいう歌詞がありましたが、マッハ7では、夜空の星はおろか大気圏さえ突破できません。m(__)m

2004年3月28日 | カテゴリー : ニュース | 投稿者 : assak