ウクライナ政情不安

 ウクライナで野党側が臨時革命政府樹立を宣言したそうです。現時点では情勢がどのようになるかは予断を許さないところなのです。事態の推移を見守りたいと思います。
 ところで、ちょっと気になったのは、革命という言葉です。今回の政変は「革命」なんですかね。「クーデター」ではないのかな。というわけで、辞書で調べてみると、クーデターとは支配層内部の政権移動を意味すると書いてありました。ということは、どこかの王国で、幼い国王を廃してその後見人が政権を掌握するようなのがクーデターということになります。
 それに対して革命とは、それまでの被支配階級が支配階級から国家権力を奪い取って政治の形態を変えることです。いちばん有名なのは「フランス革命」ですよね。
 クーデターと聞いて(私が)一般的に思い浮かぶ、軍事クーデターに関してはどうでしょうか。軍部は支配層なのかな?。これも、どこかの王国で、××将軍なんてのがいて、彼が股肱の部下を率いて王族を廃して政権を掌握するというのであれば、軍事クーデターということになるのでしょうね。
 一般に、シビリアンコントロールの元での軍隊は「支配階級」ではないので、もしその軍による政権の収奪が行われても「クーデター」とは言わないような気がします。この場合、「軍事革命」ということになるのかな。
 明治維新が、「革命」なのか「クーデター」なのかは微妙なところです。地方政権が中央政府を軍事力で追い払ったのですから、やはり「クーデター」に入るのか。
 その後の、大日本帝国時代の五一五事件(1932)、二二六事件(1936)に関してはどうなるのかな。事件以降、政党政治は終焉を迎えて、軍部が政権を取ったという意味では軍事クーデターということか。
 いずれにしろ、日本の場合は、「天皇」の存在が状況をややこしくしていますね。日本史の政変劇(武士階級が登場して後のもの)では必ずその存在がキーになります。
 今回のウクライナの政治危機に戻りますと、野党側は一応支配層のような気もします。でも、民衆の力を借りているという点では、革命なのかな。