101年目のライト・フライヤー


 ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功した飛行機「ライトフライヤー1号機」をグライダー愛好者でつくる西日本航空協会が復元し、17日、熊本県阿蘇町で再現飛行を試みたが、機体は一瞬浮いただけで、すぐに機首から地面に墜落した。
 飛行実験は同町の「阿蘇観光牧場スポーツ公園」で行われ、機体は約150メートルを滑走した後、高さ1メートルほど浮上したが墜落、機体の前部が大きく破損した。
 復元機を操縦し手にかすり傷を負った新聞社社員で報道ヘリのパイロット松下浩之さん(41)=兵庫県川西市=は「挑戦できただけでパイロットみょうりに尽きる」と話し、失敗の原因については「急に浮いたので操縦かんを下げすぎたからではないか。難しい」と苦笑していた。

Yahoo!ニュースより

 実験が行われる日については、知り合いからメールがあって初めて知りました。
 ライト・フライヤー1号機は、図を見ると分かるけど、機体の前後にエレベーターとスタビライザーが付いています。特に、機首に付いているエレベータがくせ者ですね。先尾翼と同じ効果があり、機体の静安定性にはマイナスに働きます。ま、結果はその通りになったようですね。
 実験が行われた「阿蘇観光牧場スポーツ公園」とは、以前大阿蘇航空祭が開催されていた阿蘇場外なのでしょうか?
 成功していたら、もっとニュースになっていたでしょうに。
 再度の挑戦を期待します。
 ここで、本物のライト・フライヤー(というか、ライト兄弟)について言えば、私は??です。ライト兄弟のやったことは確かに偉業なのだけど、その後兄弟が飛行技術に関する権利を独占しようとしたことに関してはあまりいい気持ちがしません。彼らにしてみれば、自分たちの成功をできるだけ報酬に替えたかったのでしょうけど。
 そもそも、ライト兄弟以前に動力飛行を行った人がいることには驚きです。彼が動力飛行に成功したのは、ライトフライヤーがキティホークの丘で初めて飛んだ日よりもわずかに前だったとか。でも、新聞社など第三者が立ち会っていなかったこと、証拠となる写真がなかったこと(?あったかも)、彼の出生にまつわること(確か移民だとかで、世界に誇る偉業が移民によってなされたと言うことを好まない、差別的な扱いがあったとか)、などによりメディアに取り上げられなかったそうです。
 なにより、ライト兄弟が、スミソニアン協会と契約し、スミソニアン協会にライト・フライヤーの独占的な展示の権利を与える見返りに、「世界初の動力飛行をしたのはライト・フライヤー1号だ」と認めさせたというのですから・・・。この話を聞くと、「ライト兄弟ってなんだかなぁ」という気持ちになります。
 というわけで、世界初の動力飛行を達成したのは、ライト・フライヤー1号となったのでした。
 うーん、今みたいにメディアが発達していない遠い昔のお話しでした。

2004年12月20日 | カテゴリー : 飛行機 | 投稿者 : assak