黄梁一炊の夢

 夢というのは、朝起きた後、思い出せたり、思い出せなかったりします。私が昨夜見た夢というのは、そのどうしても思い出せない類の夢なのです。うっすらと覚えているのは、なんだか人の一生を全うしたようなそんなスケールの夢だったような気がします。朝起きたとき、「あれ、俺は何でこんなところにいるんだろ」なんて感じでしたから。まるで、「黄梁一炊の夢」みたいな感じです。

 黄梁一炊の夢とは、「邯鄲の夢」、「邯鄲の枕」とも呼ばれますが、中国の故事です。広辞苑には、以下のように書いてありました。
「官吏登用試験に落第した盧生という青年が、趙の邯鄲で、道士呂翁から栄華が意のままになるという不思議な枕を借りて寝たところ、次第に立身して富貴を極めたが、目覚めると、枕頭の黄梁がまだ煮えないほどの短い間の夢であったという故事」
 これから、人生の短さやはかなさを表す言葉として使われています。

 でも、いったいどんな夢だったのか、いまだに思い出せません。(;_;)