恒産なき者は恒心無し(こうさんなきものはこうしんなし)

 これも、非正規雇用労働者達のニュースを見て思い至った言葉。出展は孟子で、「衣食足りて礼節を知る」と同じ考えに立つもの。

 非正規雇用労働者の再就職に関して、行政では農業やら林業など第一次産業で雇用しようという動きがあり、そういったものに対して今まで主に製造業やサービス業などで働いていた人たちはどう思っているかということを考えると、どんな仕事でもいいから定職に就いて働き続けることが大事なのではないかという結論にいたった。背に腹は代えられないということで、そこに就職する人も増えるのではないか。

 一方で、人手不足の第一次産業では労働力を取り込むチャンスであり、産業再生への足がかりとしても期待できるのではないか。第一次産業は、景気の波に左右されにくい(大木流れとしての産業構造の転換という大波はあるが)側面があるので、(正規雇用の)サラリーマンよりも安定した職業ではある。

 でも、彼らが例えそこに就職したとしても、景気回復で製造業が人員を募集したら、そこにまた流れてしまうのでは・・・。そのような人にこそ、このタイトルの言葉を贈りたい。