ツアーバスに停留所という話。

もともと路線バス事業者が始めた高速バス事業であるが、そこにツアーバス業者の参入が相次いでいる。今や高速バス事業は、戦国時代となっている。

ツアーバス事業者は、あくまでも旅行商品という位置づけであり、道路運送法の適用を受けなくて良い。そのため、停留所などの設備を設ける必要が無く、小資本で参入できるのだ。しかし、独自の停留場所を持たないため、ターミナル駅周辺道路を停留所代わりにするため、渋滞を引き起こすなど、トラブルを引き起こしすことになっている。

よく似た状況なのが、オフィス街の道ばたに登場するお弁当販売店。彼らもオフィス街に店舗を構えずに、軽トラックなどで売りに来るので、既存の飲食業の脅威となっている。たまに警察が取り締まっているのを見ることがあるが、しばらくすると別の場所で弁当売りを再開する始末。

ということで、こういったアウトサイダーをどう取り込んでいくかというのが、行政の役割なのだが、今回はツアーバス業者を乗り合いバス業者に移行することを求めるというもの。これは既存のバス業者からの不公平感を指摘する声に応えたものである。しかし、小規模なツアーバス業者にはハードルが高いものであることに変わりはない。

国土交通省は、その代わりに、柔軟な運賃設定ができるように、現行の道路運送法を改正する方針だと言う。小規模ツアーバス業者の参入障壁を下げようというものだが、どのくらいの業者が参入できるかは未知数だ。

2012年4月4日 | カテゴリー : ニュース | 投稿者 : assak