夏場の電力は原発なしでも乗り切れる!

 この夏の電力需要の予測が揺れている。電力会社各社が政府に提出した予測では、
 前提1:原発再稼働なし
 前提2:2010年並みの猛暑
になった場合は、8月のピーク時に0.4%の電力不足が生じると推定している。地域によって原子力発電への依存度が違う中で、最も電力不足の恐れがあるのは関西電力で16.3%不足することになる。また、九州電力や北海道電力も電力が3%以上不足が推定されている。一方、中部電力や四国電力は火力発電の比率が高いため、4%以上の余剰が発生するとしている。その他の電力会社は、ぎりぎりといったところだ。東京電力は、節電が定着したとして4.5%の余剰があるという。
 さて、この試算、経済活動に影響を与えないことをベースに行われている。もちろん、経済に多大な影響があれば、震災復興途上の日本経済に暗い影を落としかねない。だから、全く節電をしないことをベースに予測されている。
 また、電力が不足するのは、夏場は日中の数時間のピーク時のみの話である。朝夕や夜間は電力が余っているのである。したがって、このピーク時の使用電力を抑えることができれば、何のことはないのである。
 そこで、このピーク時の電力を抑える仕組みとして「ピークカット」と「ピークシフト」を考えてみたい。
 「ピークカット」とは、それも午後の気温が最も高い時間帯に電力消費が多いエアコンと冷蔵庫をセーブすることにより、使用電力のピークを抑えることである。冷蔵庫は、生鮮食料品の安全性を保つためには庫内温度をキープしなければならないだろうが、エアコンに関しては設定温度を高めに設定することで、多くの電力を抑制できる。
 「ピークシフト」というのは、工場などの稼働日を土日や夜間にずらすなどして使用量そのものは維持しつつ、ピークを分散させるという取り組みである。
 政府としては、安直に電力が足りないので原発再稼働という結論に持って行く前に、事業所の稼働日の分散化や稼働時間のシフト、そして節電のインセンティブ施策を打ち出すべきではないだろうかと思う。

2012年4月24日 | カテゴリー : ニュース | 投稿者 : assak