オイコノミア(2012/05/29放送分)

今回のタイトルは「オークションに勝つ!」(前編)だった。
オークションに関しては、皆、意外と「自分にはあまり関係ない」とか「やっていない」とか思っているかも知れないけれど、我々の身近にもたくさん存在している。「競り」とか「入札」とかいうと、ビジネスの場面で遭遇する人も多いだろう。民民の取引でも相見積もりは日常茶飯事だし、官との取引だと入札が基本だ。
私の場合はヤフオクをかじっているので、オークションについてはちょっと調べてみたこともある。さらには、ゲーム理論とかはずいぶん昔から好きだったので、今回は期待大で見てしまった。

最初は、又吉さんがよく訪れるという神田・神保町の古本街にて古書店の仕入れの仕組みについて解説していた。それは古書交換会にて「置き入札」という、「封筒に自分の購入希望価格を入れる非公開のオークション形式」で行われているそうである。このことは初めて知った。独特の方式だな。業界の力関係も反映されていておもしろい。
次にオークションの歴史について解説。人類史上最古のオークションは古代バビロニア(B.C.500)の「人身売買」だという。これは想像ついたが、その後古代ローマ帝国(A.D.193)で「国そのものがオークションにかけられた」というのには驚いた。しかし、購入者は民衆の支持を得られず2ヶ月後に暗殺されたというのはおもしろいが・・・。
そして今日の本題であるオークションの仕組みについて。解説では大きく2つに分かれるとあった。一つは公開型、もう一つは封印型(非公開型)である。公開型に属すものが「イングリッシュ・オークション(イギリス式、競り上げ)」「ダッチ・オークション(オランダ式、競り下げ)」であり、封印型に属するものが「ファーストプライス方式」「セカンドプライス方式」とある。しかし、これはずいぶんと省略した乱暴な解説だな。ま、わかりやすさ重視のためかな?。どちらかというと公開型を「繰り返し型」、封印型を「一発勝負型」と言った方がさらにわかりやすいかも知れない。繰り返し型は、入札者が一人になるまで価格が再設定されていくというもの。一発勝負型は、入札者の最大評価額と競争者の想定評価額を考えて価格を提示するものである。
イギリス式は、最もポピュラーな形式であり、オークション・ハウスなどで見られるものはこの形式が大半である。オランダ式は、もともとオランダで花の卸売取引のために考案されたもので、高い金額から徐々に値を下げていくものである。不動産屋における売買もこの形式といえるかも知れない。その他に、「リバース・オークション」「ダブル・オークション」などもあるが解説はなし。
今回は、最初にゲーム理論の話があったように「封印型」つまり一発勝負でオークションが成立するときに、戦略的にどのような価格を提示するかについての、解説である。そして、セカンドプライスオークションについて(ヤフオクをしている人は知っていると思うが、ヤフオクではセカンドプライス方式でオークションが行われている。ただし、繰り返し型ではあるが)の解説を中心に話が進む。
まず、ファーストプライスオークションの解説。これは、自己の入札価格が落札価格になるというもので、古来からある一般のオークション形式である。対象の商品に対する自己の評価額と実際に落札した価格との差を利得と考えると、利得を大きくしようとすると落札できないリスクが高くなる。落札可能性を上げると利得が小さくなる。利得と落札可能性はトレードオフの関係になる。
そこで、セカンドプライスオークションの解説。これは、落札者は最高価格提示者なのだが、落札価格は二番目に高い価格となるというもの。この方式は前述のようにヤフオクなどで採用されている。この方式はノーベル経済学賞を受賞したヴィックリー(Vickrey)氏が考案したものである。(なぜこんなに詳しいかというと、ヴィックリー氏はノーベル賞受賞が決定した3日後に心臓発作で亡くなられて、当時それを私の友人が「きっとビックリして死んだんだ」という不謹慎なことを言っていたので氏の業績を調べたことがあるからだ。)
ということで、両形式を2人で実験。価格戦略というか、相手の心理の読み合いなんだが、(この番組、本当に事前の打ち合わせしていない・・・やらせなしでやっているのかな)セカンドプライスオークションで又吉さんが提示した金額はあり得ない!!。理解できていないじゃん。この実験は、セカンドプライスだと相手の出方を読む必要が無く、自分が評価した金額で入札すれば良いという結果が示唆されないといけないのに。又吉さん、経済学で典型的な「利己的な人」的な行動をしないとおもしろくないんだけれどね。
それはさておき、実際の売り手の利得(販売価格の期待値)はどのオークションも同一ということが証明されていると聞いたが、その話は無かった。
そして最後、「勝者の呪い」に関しては次週に持ち越し・・・。来週も忘れずに見なければ・・・。

ガイアの夜明け(2012/05/29放送分)

サブタイトルは【10周年企画③ 中国 農村少女とトヨタの10年】で、拡大2時間スペシャル版だった。前半は、農村の少女が都会に出稼ぎに来て働く姿を10年に渡って追ったもの。後半は、中国市場で出遅れたトヨタの巻き返しをレポートという形だった。
で、前半は、出稼ぎ少女の月給が、最初日本円に換算して\9,000-だったのが最終的には5倍の\45,000-になったという話なのだが。この10年で農村の所得は3倍くらいになったのだが、都市の所得はさらにそれ以上となって、所得の差がさらに広がっているというのは凄まじいな。これだと、「中国=安い労働力」という話ではなくなるのが、本当に時間の問題という気がしてきた。
それで、少女の一家は世帯の半分が出稼ぎに出ており、最初は地元の一等地の土地を買って(使用権?)、そこに家を建てたいという夢を描いていたのだが、その土地も値上がりしてしまって、家を建てる計画はぽしゃったということだった。まるで、どこかの国のバブル経済だね。いつか弾けはしないかと心配になる。
後半のトヨタの話は、中国の顧客の特徴が現れていておもしろかった。中国では、自動車を購入したら、そのまま乗って帰るというパターンが多いそうだ。(日本ではまず考えられないが)そのため、販売店は在庫を持っておかなければならないと言うことなのだが、その保管状況が野ざらし・・・(他のメーカーの販売店も同じ状況だそうだ)。中には販売店に納めてから半年以上経過した自動車もあり、当然汚れるし、バッテリーが上がったり、部品の交換が必要だったりで、保管コストがかかっている。また、車種によっては、ある店で過剰に在庫を抱えている一方、他の店では在庫が無くて納車待ちの状況もある。ということで、中国トヨタでは、コンピュータシステムで、販売店ごとの在庫の状況と、鮮度(販売店に納車されてからの経過時間)が一覧で分かるシステムを導入し、在庫の偏りが無いようにしていた。もうひとつは、現地採用の生え抜きにトヨタイズムを教え込んで、それが10年経って、そろそろ結実しそうだと言うことだった。また、部品の現地調達率を上げてコストを下げるために、優秀な下請を見つけ育てていくことも課題だとあった。
前半は「工場としての中国」、後半は「消費地としての中国」の話といえるかも知れない。工場としての中国は賃金の高騰などで将来的にはコストメリットが全くなくなる状況が来るかも知れないと感じた。一方で、消費地としての中国はこれからも市場拡大が期待できそうだ。でも、この二つの内容は実は表裏一体であり、賃金の上昇が消費の拡大を牽引していることを考えると、両者を分けて考えるのはナンセンスな気もする。消費地として期待するなら、継続的な投資も必要になると言うではないかな?

アジアの風(2012/05/26放送分)

今回は、岐阜県安八市にある浅野撚糸のエアータオルをアジアに売り込もうというものだ。この浅野撚糸のタオルはどこかで見たよ。雑誌か何かの記事だったかな。
浅野撚糸は典型的な下請企業で、大手タオルメーカーのタオルを製造していたが、中国に仕事を奪われて仕事が激減し、存亡の危機となった。その中で、下請からの脱却を狙って開発したのが、エアータオルと言うことだった。最初は、伸縮性の高い撚糸を作ったのだが、それをタオルに織り込んだとき、高い吸水性という想定していなかった機能を持つことが判明し、ブランド化して売り出していった。
そのエアータオルは、有名ブランド並みの価格でありながら、売れ行きが好調なものである。特に一度使用した顧客がリピーターとなっているということだった。
番組では、エアータオルの素材である特殊な撚糸の製造工程を事細かく紹介していたが、ここまで紹介して良いのかな。
浅野撚糸は一度は2年前に上海で売り出したのだが、全く売れなかったそうである。
そして、アナリストの中国市場での評価であるが、市場性が2点と非常に低い。中国の富裕層が高級品を買うのは面子のためであり、他人の目につくところには高級品を使うが、日用品で高級なものはあまり売れないだろうと言うこと。従って、将来性もかなり低い。アドバイスとしては、店頭に並べても売れ行きは伸びないので、高級エステ店などに入れてもらって、実際に多くの人に使ってもらった方が良いのではないかということだった。
一方、シンガポール市場での評価は、非常に高かった。しかしながら、企業ブランドの構築が必要であるという評価だった。顧客が、このタオルを利用することが社会や環境にどう貢献するのかというような強いメッセージ性が必要だと言うことだった。
例として池内タオルが売り出している「風で織るオーガニックタオル」のように、天然素材を使ってさらに風力発電による電力で織った環境に優しいタオルのような強いメッセージがあるとよいということだった。池内タオルは「カンブリア宮殿」に出ていたような気がするな~。
浅野撚糸の社長は、エアータオルを作ったときはまだ経営理念などを設けていなかったが、今回の評価を経て、経営理念とか企業ブランドとかが必要だと言っていた。かなり負けん気の強い性格のように見受けられるな。
富裕層の心をどのようにつかんでいくのか、楽しみではある。

マネーの羅針盤(2012/05/26放送分)

今回は年金の話。国民年金の減額分が-20,100円。出た!今日のゲストは、獨協大学教授で経済アナリストの森永卓郎教授だ~。
ということで、物価スライドとマクロ経済スライドの話が出てきている。が、マクロ経済スライドは全然発動できていないよね。というわけで、当時の設計であれば、現在9.7%余計に支払われていることになるのだが、高齢社の反発を恐れて減額ができないというのが実情らしい。
ということで、支給年齢を上げるしかないというのが結論なのだが・・・。政治家の誰か英断できないのか。
それから、株式市況の話。日経平均が8週連続の下落で、日銀の金融緩和政策が振るわないというのが、市況の低迷の理由だと言うことだった。それから、NY市況は好調なのだが、ここにきてギリシアのユーロ圏からの離脱リスクや、facebook株が上場以来17%近くも下落していることなど、不安定要因も多い。facebookは、元々の売り出し価格が高かったと言うことだと思うが、これは証券会社などが人気を煽っていたということじゃないのかな。さらに、米国では住宅金利が最低水準らしいが、これはユーロの危機によりリスク回避のために余剰資金が米国債の購入に充てられ、それにより住宅ローン金利が下がるという皮肉な結果になっていると言うことだった。
外国為替ではユーロが対円で1.2%の下落と言うことから、ギリシアのユーロ圏離脱が現実味を帯びてきたと言うことにもなるかな。
マネーに関しては、当面、国内では税と社会保障の一体改革、国外ではギリシア@ユーロの状況から目が離せないな~~。

カンブリア宮殿(2012/05/24放送分)

今回は、【会員が急増中「ニコ動」って何だ!? ネット動画に革命!】ということで、ドワンゴの川上量生氏がゲスト。(ちなみに、量生は「のぶお」と読むらしいが、さすがにATOKでも変換してくれなかった。)
ニコ動を知っていてもそれを運営している会社「ドワンゴ」を知らない人は多いかも。ニコ動をずっと見ている人は、午前0時などにドワンゴの提供で時報が入るので(微妙にずれているが・・・)その名前を知っているかな。
ニコ動が有名になったのは例の「小沢一郎単独会見」としている。この辺は私も世間一般からずれていると言うことか・・・。ITとかネットとかの知識に偏っているな。
そして、他の動画サイトと比較した、ニコ動の最大の特徴は「弾幕」と呼ばれるテキスト投稿機能だけれど、私自身はウザイのでいつもはオフにしているんだな。
番組中でドワンゴの社内の紹介をしていたが、典型的なベンチャー企業だった。自由な雰囲気だね。これで一部上場企業というのだから、びっくりするな。川上氏自身も変人だなと思う。
ニコ動のプレミアム(有料)ユーザーは162万人というが、そのほとんど95%くらいがヘビーユーザーという。川上氏はこれだとまだまだだと言っていたが、確かにその通りだと思う。というのは、162万人がかなりの頻度でアクセスしてくるので、彼等を満足させるだけのインフラ・サーバーを準備しなければいけない。本当ならば、プレミアムユーザーでも利用率の低いユーザーが何倍もいて、彼等からの収入がインフラや新規事業への投資へと向けられるべきなのだが。
企業として考えると、ドワンゴも最初からニコ動一本で立ち上がってきたわけではなく、オンラインゲームや着メロの配信を経てニコ動でブレイクしたので、紆余曲折を経ていると言ってもいいかもしれない。もちろん、ニコ動のサービスもこれからさらに拡充されていくだろうが、それだけでない新たな事業を立ち上げることが、ドワンゴの将来を左右するかなと思う。
私個人としては、ドワンゴのようなおもしろい企業がメディアやネットワークの枠組みを変えていくことに期待大なのだ。しかし、こういう今までに無い、癖のある経営者に対しては、既存の経営者の中で嫌悪感を示す人もいるんだろうな。DeNAがプロ野球球団を買収する件でも、ずいぶん嫌悪感を示した既存のオーナーがいたらしいし。

facebookとの連携テスト

@niftyのココログとfacebookの連携をしてみました。
これで、ココログへの投稿がfacebookにも反映できる・・・はず?
備忘録代わりに、下記にやり方を示しておく。
http://www.facebook.com/RSS.Graffiti
のURLから、「アプリへ移動」、「RSS Graffiti 2.0」へと行き、facebookからのデータ共有を許可するとOK。
後は、ブログ側のRSSのアドレスを設定すると、投稿が連携されるはず。

オイコノミア「保険って結局トクですか?(後編)」

この番組は経済学の話だと思ったが、通して見ていると行動経済学の話も多いな。両者を区別せずにこだわり無く進行しているみたいだ。
今回は前回に引き続き保険の話である。
最初、又吉さんが「アレのパラドックス」に引っかからなかったのは笑った。これは、事前の打ち合わせによるものか?それともネタなのか?でも、アレのパラドックスに関しては昔から気になっていたが、「2回目の試行」は期待値が違いすぎる。これだと比較にならないよ。皆、期待値の高い方を選択するだろう。これは、「期待値が高くてもリスクがあればヒトはその選択を回避し、多少のリスクの差があってもそれがともに0でなければ、ヒトは期待値の高い方を選択する」ということなのだが、オリジナルの実験の期待値が違いすぎておもしろくない。もう少し期待値を近づけた方が良いのではと思うが・・・これはオリジナルの問題なので後から確率を変えることはできないのだが。
それから、損失回避の話。コインの表と裏の話は分かりにくかった。このあたりは番組製作スタッフが、あらかじめ出演者の大学教授と話し合って工夫してくれた方が良かったのでは?それから、又吉さんのリアクションも微妙だった。視聴者にわかりやすく解説するのが目的なのだから、それなりに会話も工夫してほしい。
最後は、地震保険など、大数の法則が成り立たない話。地震保険などに関しては、政府が補助しているということと、再保険という仕組みがあること、そして英国の保険組合であるロイズが損害保険の仕組みを作ったり、再保険を取り扱っていることなどの説明があった。ここはオーソドックスな話に終始していたな。
保険は経済学の一分野ではあるが、保険学という学問も確立されいるほど守備範囲が広い。さらに行動経済学(行動心理学)など関連分野も多い。ということで、2回に分けても説明し切れていない部分は多かったが、それなりにおもしろかった。

ガイアの夜明け(2012/05/22放送分)

【すてきな人生の締めくくり方】
人生の最後をどのように迎えるか、ということをテーマにした、「終活」あれこれ。
(ちなみに、ATOKで「終活」を変換したぞ~~)
葬儀や相続、埋葬をどうしてほしいかについて、現在のさまざまな事情や、そのための各種サービスの紹介など。
AEONグループがその終活ビジネスに乗り出しているのは初耳だった。AEONは、シニア層にターゲットを絞って、さまざまなサービスを開始している模様だ。ワン・ストップのサービスというのはありがたいかな。
ああ、でも、今回は書くことがあまりないな。

未来世紀ジパング(2012/05/21放送分)

「日本式」を武器にアジアに進出している企業を紹介している・・・でもこれって同じキー局でやっている「アジアの風」と同じ流れじゃん~~。
オープニングは「てっぺん」。国内でも未だ出店の余地がある中、積極的に韓国に出店している。てっぺんの朝礼は、開店前にスタッフが大声で夢などを語るというもの。大声を出すことで高いモチベーションに持って行くもの。これが韓国のアツい国民性にぴったりはまっていると言うものであった。
次は、「ワッツ」である。100円ショップの売り上げはダイソーなどに大きく水を空けられて業界4位ということであった。ワッツは「meets」などのショップを展開しているが、国内店は居抜きなどを使った省出店コスト経営だ。だが、タイでは60バーツ(150円)という現地の雑貨店よりも高い値段で商品を提供している。現地の店舗は、什器などにも力を入れており、安さよりも品質重視で、中流層以上を狙っているようだった。
最後は、土佐電子というプリント基板の製作を行っている会社である。1~2個から受注している、典型的な下請企業。それがベトナムに進出している。ベトナムでは給与が年々上昇していて、労働者は少しでも給与が高いところへと転職を繰り返している状況らしい。ところが、土佐電子では、社長が従業員の家族ぐるみのつきあいをしていることにより、家族がファンになってくれており、転職者がきわめて少ない。このようなやりかたを、昔の日本的な経営ということで紹介していた。
ということで、今回は日本式を武器にアジアへ展開という話だったが、2店目の「ワッツ」は日本式じゃないんじゃない??日本とは違うやり方しているし~~。
ところで、今中国では稲盛氏が人気だそうだ。中国の企業は大きな発展をしてきたが、ここにきて、大きくなった会社をまとめていくための社是、社訓などと言った精神的な支えを欲しているそうだ。そこで稲盛氏と言うことらしい。ま、そういうところも日本式がもてはやされているということかな。

アジアの風 小さな挑戦たち(2012/05/19放送分)

京都の洋菓子店である「一善や」がケーキでアジア進出を図るという話だった。
そもそものアジア進出のきっかけは、近所の大学の留学生(中国、韓国、台湾など)が自店のアルバイトとして働いており、彼等が自分の国にこんなにおいしいものは無いと言ったことだそうだ。というのも、「生クリームの味が違う」のが一膳やの最大の特徴で、国産にこだわっているのだそうだ。
ところで、中国ではスイーツが急成長しているらしい。特に香港は、中国スイーツの発信地であり、日本のケーキ屋が進出している。日本のスイーツは「高くてもおいしい」ということらしく、中流層以上が購入している。
で、アナリストが登場して、一膳やのアジア進出を評価。市場性に関しては、前述のブームも加味して満点を付けていた。価格は割高(上海のコンビニ弁当の数倍の値段)であり、そのため点数は低かったが、社長としては高くても買っていただける顧客層にアピールすると言うことで、上澄みを狙った戦略と言うことらしい。
しかしながら、最大・・・というか致命的な問題があって、それは震災以降、中国では日本の乳製品の輸入規制が厳しいということだ。実はそれ以前からであって、数年前に日本で口蹄疫の問題が発生して以降、中国は日本からの乳製品の輸入は一切禁止しているということだ。
番組ナビゲーターからオーストラリアからの輸入を提案されるが、オーストラリア産の牛乳では、生クリームの味が出せないと、社長は否定的な見解だった。
すわ、今回はNGで終わりかと思いきや、中国本土が厳しいので、まずは台湾への進出に切り替えたようだ。そして最終的には大陸への上陸を考えているらしい。
社長は、知り合いを通じて、台湾の大手食品会社の社長に直談判していた。その会社は、日本から輸入した原材料で生クリームを生産している。
ということで、所感であるが、私も経験したが、中国へのモノの輸出はとにかく難しい。中国にある日本の工場へ設備機械の保守部品を送る場合でも、故障してから送っていたのでは、間に合わないと言うことがよくあった。とにかく、陸揚げに時間がかかりすぎるのである。そこで、あらかじめ製品を輸出するときに保守が必要な部品もセットにしておくというやりかたをしていた。これだと壊れたときにまずは現地の保守部品を使い、そのときに日本に部品の発注をするというやり方で、機械のMTTRを短くすることができる。工業製品でさえそうであるので、食料品やその食品原材料など安全性が重視されかつ鮮度管理が必要なものを中国本土に持ち込むのは非常に大変で、ノウハウが要求されるところなんだろうなと感じた。