アジアの風 小さな挑戦者たち

 この番組が他と違うのは、アジアに進出を考えている国内企業が番組に応募するという点だ。そして、アジア進出の際の課題やその解決策を番組内でアドバイスしていくという作りになっている。
 今回は、ファーストキャビンというホテル業者。カプセルホテルでもビジネスホテルでもない、コンパクトホテルという新たなモデルを作って、安いけれど高品質を武器に展開している会社である。コンパクトホテルというのは、ビジネスホテルから水回り(トイレ、バスルーム)を取り去った形で、簡易宿泊施設に分類されるものだ。トイレは共同で、風呂は大浴場となっている。その分、料金を抑えていて、京都の烏丸で\5,500-くらいだから、普通のホテルよりかなり安い。
 市場としては、「ホテルは安い方が良いが、カプセルはちょっと」という人向けかな。寝るときはベッドでゆったりと眠りたいという人にはちょうど良いかも。
 で、この企業は、羽田空港のターミナルに進出して話題になったのだが、さらに今回は海外進出を目指して番組に登場したというわけだ。
 社長が語ったのは、中国、シンガポール、ベトナムなどだが、まずは空港立地を考えているようだった。その中でも、やはり中国が市場規模としては大きく、そこに進出したいと考えているらしい。
 で、海外のアナリストを交えた対談だが、中国でも上海地区は格安ビジネスホテルのチェーンがあり、それと正面対決するのは難しいという判断であった。一方、同じ中国でも香港では、地価が高いため、上海にあった安いビジネスホテルはチェーン展開していないということで、日本円で\4,000-くらいまでで提供できるのであれば、十分ビジネスチャンスはあるというもの。
 でも、検討これだけ?。で、進出決めちゃっていいのかな?。もちろん番組以外でも検討はしているのだろうけれど、もう少しプロセスを明らかにしてもらわないと、「この企業本当に大丈夫?」といった印象を持たれかねないよね。