マネーの羅針盤

 日本人の映画館を訪れる数が年間1.5回というのは、少ない気がする。という私も最近リアルな映画館にはあまり足を運んでいない。もっぱら、DVDをレンタルしてきて家で見るというパターンが多いな。
 作る側に関して言えば、映画を制作して映画館で放映するだけならば赤字、DVDにして売ったり、TV放映したりして、何とかコストを回収できるという。元々そこまで見越したコスト計算なのだろうが、最初の映画館の放映でこけると、後は買いたたかれてしまうのだろうな。内容が勝負というのは、他のコンテンツ産業にもいえることか。
 日本は、漫画やTVアニメなど映画のコンテンツとなるべきものは多いが、それを版権としてうまく活用する能力が足りないと言われていたのは、まさにその通り。トランスフォーマーだって、元は日本のおもちゃメーカーが版権を持っていたのだが、映画化する価値がわからなかったため、あれだけの大ヒットにもかかわらず、おもちゃメーカーにはわずかな版権料しか入らなかった。
 ということで、ANEWが昨年設立された。ANEWは「All Nippon Entertainment Works」の略であり、国内のストーリーやキャラクターなどの素材、コンテンツをリメイクし、グローバル市場に向けて企画開発、事業展開していく会社である。ここがうまく行けば、今まで国内だけで埋もれていた日本のサブ・カルチャーを全世界に配信できるのではないかと思う。