今週は池上彰氏を解説者に迎えて、先日中国で起こった重慶の政治家、薄熙来氏の失脚事件の真実を読み解くというもの。
その事件は日本国内では重慶という地方都市で起こった地方政治家のスキャンダルとそれに伴う失脚という程度の報道されているが、中国国内では第三の動乱になるのではないかと言われている・・・らしい。
私もこの事件は上記の印象しかなかった。そこで、事件を整理してみる。
今年二月、重慶市で薄熙来氏の側近で公安局長の王立軍氏が逃亡し、米国領事館に逃げ込むという事件が発生した。中国共産党の重要人物がこともあろうに米国領事館に逃げ込むという事実は、中国政府では対処できない何かがあったことをうかがわせる。そしてそれは、英国人実業家の殺害事件と結びつく。王立軍氏は捜査の過程で、薄熙来夫婦が事件に関与した疑いがあることに気づいた。そして、王氏の部下の捜査員5人が薄熙来氏によって拘束されそのうち3人が死亡する事態となった。事ここに至って身の危険を感じた王氏は米国領事館に逃亡したということらしい。
この事件が引き金となって薄熙来氏のスキャンダルが世界中で報道されることになるのだが、話はここで終わらなかった。実はこのスキャンダルを政争に利用しようという動きが起こっていると言うことだ。今年の秋には中国共産党の党大会があり、権力闘争が繰り広げられている最中ということだった。薄熙来氏は中央の政治家になる野心を持っていたと言われている。中央の派閥には胡錦濤派と江沢民派に分かれており、薄熙来氏は江派に属している。そこで胡派は、この事件を利用して、権力の拡大を図ると言うことであった。
で、胡錦濤派が主流になると日中関係が改善される。池上氏は「実日」という言葉を使って実務的な関係になるのではないかという予測を立てていた。
しかし、この中国の権力闘争はすさまじいな。薄熙来という人物も、調べてみると相当なやり手だったらしい。しかしやり過ぎのきらいはある。これじゃ、マフィアの権力闘争と変わらない・・・。それだけ利権があるということなのかな。