ガイアの夜明け(2012/05/15放送)

今週は「地域スーパーの最強戦略」と題して大手チェーンではない地域のスーパー3店舗を紹介していた。
1店舗目「マルエイ」
ここは、倉庫を持たない、市場での売れ残りを買い叩く、など徹底的にコストを削減して安値を実現しているスーパーである。また、ロス・リーダー政策も巧みに利用している。番組で紹介していたのは卵を1パック7円で売るというもの。ただし、1,000円以上お買い上げの方に限るというものである。ロス・リーダーはもともと価格弾力性が高い商品に関して採算度外視の安値を設定し、来店客を誘引させ、他の商品の関連購買を誘うというものだが、ここでは1,000円以上お買い上げの方に限りだから、より拘束的な政策というべきかも知れない。
2店舗目は「京北」
ここは、別の番組でも紹介されていたが、高品質、高価格の商品のみ扱うという、前述のマルエイとは逆の戦略のスーパーである。スキミング・プライス政策だから裕福な顧客層をターゲットにできる。映像を見る限り、確かにマルエイでは商品の争奪戦のようなことも繰り広げられていた。京北ではそのような光景はなく、顧客も上品な気がした(あくまでも個人的な意見だが)。
3店舗目は豊橋に1店のみある、超ローカルスーパー「一期家一笑」
ここは、地元の食材へのこだわりを前面に出している。食料品の産地は三河周辺を中心としたものばかりである。それから、店舗の従業員のほとんどが、約3,000人いるという常連客の名前を覚えており、名前で呼びかけているというからすごい。さらに地元の食材を使った手づくりの総菜を目玉にしている。というのが、大手に対抗する手段ということだった。
これらの3店舗は、いずれも独自の戦略で生き残りをかけていくという点でおもしろい。世は企業の合併に次ぐ合併で規模の大小が生き残りを左右するという様相を呈しているが、そうではなく創意工夫による生き残りの例として、おもしろいと感じた。