カンブリア宮殿(2012/06/14放送分)

全国から患者続々の超人気病院 患者も医師も大満足のワケ
南房総の鴨川市にある亀田メディカルセンターに関する特集。院長の亀田信介氏は、病院こそ究極のサービス業だということで、病院とは思えないようなサービスを実現している。
最初に紹介されていたのは、
・介助係
・エスコート係
など外来患者をサポートする専門の係員を配置しているところで、なんだかホテルのようなかんじだったな。
番組の進行としては、診療設備や入院設備といったハードサービスと、医師や看護師といったソフトサービスの二つに分かれて解説していた。
ハートサービスとしては、以下に列挙するようなものが挙げられていた。
・豪華なエントランス
・壁にはモダン・アート
・Kタワーと呼ばれる病棟(全室個室、オーシャンビュー、シャワー、トイレ完備、アメニティグッズ、タオルなど毎日交換、最上階はステーキレストランがあって、ビールも飲める)
・一般病棟でもパーティションやトイレ・シャワーなど工夫している。
・食事は標準のメニューとオプションの豪華メニューあり
・面会時間制限なし
・ペット・ラウンジ
・アロマ・マッサージやネイル・サロンも
・最上階の見晴らしの良い場所に霊安室
などであり、見た感じはまさにリゾートホテル。外房の海岸が望める抜群のロケーションであった。霊安室を最上階に設けているのは初めて見たが、確かに地下の薄暗いところと違って、明るく、外が見えて、荘厳な感じがした。
そして、ソフトサービスとしては
・優秀な医師をヘッドハンティング。
・彼等に医療設備やフロアレイアウトなどを決定させる裁量を付与
・若手スタッフには、研修設備を用意
・レクレーション施設
・目の前の海岸でサーフィン
など。ずいぶん充実しているな~~。ワーク・ライフ・バランスが充実しているというか、医療現場の仕事は厳しいのだろうけれど、レクレーションも一体化していて、実際心底うらやましいと思った。
亀田院長曰く、ホテル並みのサービスに関しては、病院のレベルを日常生活のレベルに合わせることに他ならないと言うことだそうだ。つまり、相部屋でカーテン一枚で仕切られたような生活が、今の日本人の日常とはかけ離れているというところから、サービスレベルを上げていったらしい。そこで、個室で、食事も選べて、買い物もできて、というリゾートホテルのようなところに行き着いたらしい。
ところで、これだけの充実したサービス、さぞやオプション料金は高いのでは?そして、お金持ちばかりが来るのでは?と思ったが。差額ベッド代は、民間の医療保険に入っている人であれば、払えるレベルということで、金持ちばかりが来るわけではないらしい。そして、全国の病院の6割が赤字の中で、黒字化を実現し医業収入が400億円という。
ヘッドハンティングに関しては、報酬よりも自己実現の欲求を満たすようにしていると言っているところなど(例えば、手術室を自由に設計しても良いなど・・・医師が自分で手術室を設計することなど一生のうちにあるかないからしい)、これはマズローの五段階欲求説だなと思った。
研修やレクレーションのための施設への投資に関しても、医療の質を上げるためにやっていることであり、患者のためにスタッフを大切にするということだね。
こうしてみると、亀田メディカルセンターは特に変わったことをしているというわけではなく、究極のサービス業として、顧客(=患者)のことを第一に考えてさまざまなサービスを提供しているわけで、結果として遠くから人が来ることになったに過ぎないな。他の病院が既成概念にとらわれて、従前のやり方や枠組みから抜け出せないのは、単に経営努力が足りないよ、と言うことかも知れない。でも、新しいことをやるのは勇気が要るんだよね。特に医療の世界は、新しいことをなかなかしたがらないのかな?

ということで、私自身も病院や入院病棟に対して「こんなものなんだ」という固定概念にとらわれているところも多いと思う。それは、どこの病院も同じように横並びのサービスしかないからだった。しかし、実際、私もこの番組を見て「規制の多い業界であっても工夫のしようはある」と感じた。他の業界でも同じように色眼鏡で見ていないか、既成概念を持って見ていないか、注意していくことが必要だな~~。