未来世紀ジパング(2012/06/18放送分)

「知られざる石油大国 カナダ」ということで、カナダを世界第二位の石油埋蔵量にした「オイル・サンド」の話。ちなみに、これは砂岩由来のものであり、頁岩由来のものは「オイル・シェール」と呼ばれている。カナダのアルバータ州周辺で取れるものはオイル・サンドである。
で、オイル・サンドは露天掘りで、地面を削るようにして採掘している。さぞ環境に悪影響を与えるだろうと思っていたら、やはり環境問題があるらしい。オイル・サンドの分布しているのは、カナダの森林地帯だから、その森の木を伐採するところから始めないといけないし、精製の過程で油が廃棄されるし、抽出後の出がらし?の砂も廃棄されるし・・・。それに森林伐採や抽出した石油を利用することでも地球温暖化に拍車がかかるし~~。カナダではオイルサンド採掘が終わった土地に植林することが義務づけられていると言うけれど・・・。そして、非在来型石油資源を合計すると世界の石油使用量の150年分あるって、いったいどれだけ石油を使うつもりなんだか。
カナダ・アルバータ州のフォートマクマレーという町は今黒いゴールドラッシュに沸いているそうで。以前7,000人の人口が10万人を超えているということだ。ダンプの運転手で、週に$2,000くらいもらえるそう、現場の管理者だとその4~5倍はもらっているらしいから、人も集まるだろうな。でも、なんか日本の炭鉱城下町を見ているようだった。って、私は実際にはそんな世代ではないですよ、はい。衰退した後の町を見たことがある程度。
ところで、オイル・サンドから石油を抽出するためには、油井よりもコストがかかるので、原油の価格がある程度高くなければ採算が取れない。番組では$50/1バレル以上で採算が合うと言っていた。今は$100弱なので、十分採算が取れると言うことらしい。
日系企業がサグディー法という、地下のオイルサンド層から直接石油を抽出する技術で石油を採掘しているところを紹介していたが、これって手前味噌な気が・・・。

で、未来予測は、カナダのオイルサンドで、石油価格が下落してアジアにも恩恵があるということだったが・・・それはたいした予測でもないか・・・(なんだか最近辛口だ~~)。
日本周辺にもメタンハイドレートという非在来型石油資源があり、そこから天然ガスを抽出する技術が実用化されれば、日本のエネルギー問題は一気に解決・・・と言われているが、CO2を排出するエネルギーばかりでなく、もっと環境に負荷をかけないエネルギーの開発もアピールしてほしいな。
番組の最後に出演者のパックンが言っていた「節電資源」(つまり節電することも一つの資源だ)というのがいちばん印象に残った・・・。
あ、そういえば、別番組だけれどNHKのサイエンスZERO、次回は人工光合成の話。光合成はCO2を取り込むから地球温暖化対策の切り札になる・・・かも。楽しみ~~。