日本最大手のASICSは世界では4番手に甘んじているが、そろそろ世界3位、PUMAの背中が見えるところまで来た。でも、今回は、PUMAでも、世界最大手のNIKEでもなくて2位のaddidasとの対決話。
ということで、直前に迫ったロンドン・オリンピックに向けてのシューズ開発競争がテーマなのだった。内容としては、ASICSの開発を中心にしたものだった。開発チームは合わせて40名ほどだった。オリンピック選手向けのシューズって、ずいぶんと力を入れて開発されているのだなという感じだった。例えば、モーション・キャプチャーを使った足の裏(ソール)の動きの解析や、新素材(カーボン・ファイバー)を部分的に使うなど。いったい、1足あたりどのくらいするのやら。
というのも、オリンピックなどはスポーツ用品メーカーにとっては絶好の宣伝の機会であるから。契約している選手が良い成績を収めることが、自社ブランドの強化や売り上げ増加につながるからね。
ASICS側の開発責任者は40代の若手。数年前にカリスマ開発者が定年退職した後、リーダーを任されたということだったが、なんとそのカリスマ開発者はaddidasと専属契約し、その日本国内開発拠点でシューズの開発を行っていた。集散離合は兵家の常とはまさにこのこと。でも、「師弟対決がテーマかな」と思ったが、両者が直接対峙する場面はなし。ちょっと肩すかしか。これは本番までのお楽しみと言うことかな。
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でも、今回の番組で、相手として登場したのはaddidasだったが、これは(一部でも)開発現場の取材を許可してくれたのがaddidasだけだったということのような気がしてならない。開発現場は秘中の秘だから、オリンピック直前のこの時期に取材させてくれるところなどないだろう。そこで、2位、4位対決という、ちょっと変則的な番組構成に・・・。番組の最初に各社の売上高を見せ、「Pumaを目標に捉えられるところまで来た」という話を切り出した割には、その後Pumaが登場しなかったのは残念だ。仕方がないと言えば仕方がないのだが、ちぐはぐな印象を受けたな。