未来世紀ジパング(2012/06/25放送分)

【ユーロ動乱第2弾 揺れる通貨・・・その行方】ということで、総選挙後のギリシャ国内情勢を中心に、ユーロの行方を占うもの。番組では、ドイツ人夫とギリシャ人妻の家族の目を通して、総選挙を見ていたが、家族の中でも賛成反対に分かれると言うから、本当にぎりぎりの選択なんだろうな。
番組冒頭では、ギリシャ国内の銀行から預金が毎日800億円引き出されていると言うから、驚きだ。財政が破綻して銀行がつぶれても「通貨ユーロ」の価値は下がらないから、タンス預金にしているらしい。これって、一般的には自国の経済が破綻したら自国の通貨が紙切れになるのだけれど。そうならないのは、つまりそのユーロの信用はドイツやフランスなど支援国が支えているのだけれどね。財政基盤の弱い国を強い国が支えることになってしまうと言うのが、共通通貨ユーロを運営していくことの難しさだね。
また、ギリシャから多数の人が海外に脱出していることも紹介されていた。これは過大に演出している一面もあるかも知れないが、これも共通通貨ユーロを持っていれば、圏内の他の国で生活できるということで、国としてのギリシャを見限っている人もいると言うことだよね。緊縮派が勝利した総選挙の裏側で、ギリシャ国内の実態としては破滅が歩み寄っていると言うことなのかも知れない。
ギリシャ人は、第二次世界大戦を引き合いに出して独国がギリシャを支援するのは当たり前だと言っているし、ドイツ人は、ギリシャ人はお金もないのに贅沢ばかりして遊んでいると言っている。これらの発言が多数派なのかどうかは分からないが、両国民の感情的な対立が大きいのだとしたら、ドイツの政策がギリシャ許すまじと言う方向に舵を切るかも知れない。
ところで、ギリシャの総選挙の仕組みが紹介されていたけれど、第一党には自動的に50議席が加算されるってすごい制度だ。第一党による安定的な政権を行うための制度なのだろうけれど・・・。その50議席をさっ引いた実際の得票率を見ると、緊縮反対派(2党合わせて)が過半数を取っているんだよね。これでは「財政緊縮派が勝利!」ってそれこそ「まやかし」だ。
番組の後半では、前述の家族の中で妻の弟(ギリシャ人)をドイツで働かせようと言うことだった。しかし、ドイツ語をあまり話せない彼がドイツに行って仕事ができるのか、ちょっと心配だ。彼の後日談も聞きたいな。

ということで今週の未来予測は「ドイツ ユーロ離脱」という衝撃的な内容。これって、経済学で言うところの逆選択だね。経済の水準を低い方に合わせたら、水準の高い方は負担が大きくなって、そのグループから離脱するというやつ。そして、弱者の集まりになってしまうと言うやつだね。そして、実際に独国がユーロから離脱したら、ユーロは大暴落だろうな。というか、世界経済が大混乱に陥るよ。実のところ、独国はマルク単独でも何とかやっていけると踏んでいるかも知れない。でも、ユーロ圏の他の国々は独国の離脱を回避させようとするから、そうなると独国離脱よりもギリシャ追放の法が現実味がある気がする。
現在のユーロ圏は規模の拡大を急いだために、本来圏内に入る資格を持っていない国々まで入れてしまった感がある。今後しばらく新たにユーロに参加する国は出てこないだろう、といか審査基準が厳格化されて入りたくても入れないだろう。また、追い出される国も出るんじゃないだろうか。っていうかそれはギリシャなんじゃないの?でも、ギリシャもいったんユーロ圏から離脱して独自通貨に戻った方が、良いのではないかな。
しばらくは、ユーロ情勢は混迷を続けるのだろうな。