マネーの羅針盤(2012/06/16放送分)

中国の経済成長が失速という話。そこにユーロ危機が追い打ちをかけていて、中国のバブルが弾けるのかということになってきた。そこで、3年半ぶりに利下げを実施して、ソフトランディングを目指しているところだが、まだ不透明な状況は続いている。
というのは、既報の内容である。中国の利下げなんていつのネタだよ。今頃話題にするのは遅いって言うの~~。
先週もそうだったけれど、週のメイン・テーマが薄すぎる。時間枠も短く、掘り下げて話をすることが難しいかも知れないが、もう少し何とかしてほしいな。最近、この番組はおもしろみがなくなってきた。

続いて、世界経済の状況であるが、日経平均、ダウとも2週連続の上昇。ギリシア国債も少し値を上げていた。番組では買い戻しと解説されていたが、この記事を書いている時点ではギリシア再選挙の趨勢が定まっていて、緊縮派が勝利。直近の世論の動向から、再選挙の動きが読まれていたのかな。

BS版は、中国国内における日本のブランド化についての話である。日本では高級ブランドで欧州に負けている。というのは、高級ブランドの構築がうまく行っていないということだった。中国は「見栄の文化」であり、そこの富裕層をターゲットにするためには、歴史に裏打ちされた高級ブランドイメージが必要だが、それは一朝一夕にはできない。例では欧州の自動車メーカーが雑誌の別冊付録などを通して自社のブランドの維持拡大に注力していることが紹介されていたが、日本メーカーも手をこまねいていないで、ブランド構築の努力をすべしと言う内容であった。

世界経済に関しては、ギリシアの再選挙が緊縮派の勝利で終わり、一安心と言ったところか。国民が「欧州に留まる道」を選んだと、各記事の見出しが躍っている。しかし、ギリシアの国内再生はこれから。市場の反応はこれからだが、リスクが完全に回避されたというわけではないので、限定的な反応に留まるのかな?
かくいう日本の財政再建もまだこれから。まずは税と社会保障の一体改革からだが、各政党の動きを見ていると、懸案事項を後回しにして合意を取り付けるのを最優先にしているところが、まだ危機感が足りないような気がするな。
数年後、日本の経済危機が、欧州危機以上に世界経済の懸念事項として、連日ニュースに取り上げられるようなことになっていなければ良いのだが・・・。

カンブリア宮殿(2012/06/14放送分)

全国から患者続々の超人気病院 患者も医師も大満足のワケ
南房総の鴨川市にある亀田メディカルセンターに関する特集。院長の亀田信介氏は、病院こそ究極のサービス業だということで、病院とは思えないようなサービスを実現している。
最初に紹介されていたのは、
・介助係
・エスコート係
など外来患者をサポートする専門の係員を配置しているところで、なんだかホテルのようなかんじだったな。
番組の進行としては、診療設備や入院設備といったハードサービスと、医師や看護師といったソフトサービスの二つに分かれて解説していた。
ハートサービスとしては、以下に列挙するようなものが挙げられていた。
・豪華なエントランス
・壁にはモダン・アート
・Kタワーと呼ばれる病棟(全室個室、オーシャンビュー、シャワー、トイレ完備、アメニティグッズ、タオルなど毎日交換、最上階はステーキレストランがあって、ビールも飲める)
・一般病棟でもパーティションやトイレ・シャワーなど工夫している。
・食事は標準のメニューとオプションの豪華メニューあり
・面会時間制限なし
・ペット・ラウンジ
・アロマ・マッサージやネイル・サロンも
・最上階の見晴らしの良い場所に霊安室
などであり、見た感じはまさにリゾートホテル。外房の海岸が望める抜群のロケーションであった。霊安室を最上階に設けているのは初めて見たが、確かに地下の薄暗いところと違って、明るく、外が見えて、荘厳な感じがした。
そして、ソフトサービスとしては
・優秀な医師をヘッドハンティング。
・彼等に医療設備やフロアレイアウトなどを決定させる裁量を付与
・若手スタッフには、研修設備を用意
・レクレーション施設
・目の前の海岸でサーフィン
など。ずいぶん充実しているな~~。ワーク・ライフ・バランスが充実しているというか、医療現場の仕事は厳しいのだろうけれど、レクレーションも一体化していて、実際心底うらやましいと思った。
亀田院長曰く、ホテル並みのサービスに関しては、病院のレベルを日常生活のレベルに合わせることに他ならないと言うことだそうだ。つまり、相部屋でカーテン一枚で仕切られたような生活が、今の日本人の日常とはかけ離れているというところから、サービスレベルを上げていったらしい。そこで、個室で、食事も選べて、買い物もできて、というリゾートホテルのようなところに行き着いたらしい。
ところで、これだけの充実したサービス、さぞやオプション料金は高いのでは?そして、お金持ちばかりが来るのでは?と思ったが。差額ベッド代は、民間の医療保険に入っている人であれば、払えるレベルということで、金持ちばかりが来るわけではないらしい。そして、全国の病院の6割が赤字の中で、黒字化を実現し医業収入が400億円という。
ヘッドハンティングに関しては、報酬よりも自己実現の欲求を満たすようにしていると言っているところなど(例えば、手術室を自由に設計しても良いなど・・・医師が自分で手術室を設計することなど一生のうちにあるかないからしい)、これはマズローの五段階欲求説だなと思った。
研修やレクレーションのための施設への投資に関しても、医療の質を上げるためにやっていることであり、患者のためにスタッフを大切にするということだね。
こうしてみると、亀田メディカルセンターは特に変わったことをしているというわけではなく、究極のサービス業として、顧客(=患者)のことを第一に考えてさまざまなサービスを提供しているわけで、結果として遠くから人が来ることになったに過ぎないな。他の病院が既成概念にとらわれて、従前のやり方や枠組みから抜け出せないのは、単に経営努力が足りないよ、と言うことかも知れない。でも、新しいことをやるのは勇気が要るんだよね。特に医療の世界は、新しいことをなかなかしたがらないのかな?

ということで、私自身も病院や入院病棟に対して「こんなものなんだ」という固定概念にとらわれているところも多いと思う。それは、どこの病院も同じように横並びのサービスしかないからだった。しかし、実際、私もこの番組を見て「規制の多い業界であっても工夫のしようはある」と感じた。他の業界でも同じように色眼鏡で見ていないか、既成概念を持って見ていないか、注意していくことが必要だな~~。

オイコノミア(2012/06/12放送分)

「消費税ってどうでしょう」(前編)
ということで、消費税を中心とした税金の話。経済学というよりも、財政論的な色彩が強かった。税金と社会保障(保険、年金)を合わせて所得の何パーセントを取られているのかというと、日本では約40%と、先進国中ではアメリカを除いて低い方の部類に入る。北欧などはこういったものが高いと言われているが、番組中で紹介された最も高い国はルクセンブルクで約80%だった。確かに、医療費が0だとかだから、仕方がないかな。日本が目指しているのはこういった国々ではなくて、中程度の社会保障を目指しているので、我々も将来的にはこのくらい払わなければいけないのかというわけではないけれど。
需要供給曲線を引き合いに出して、消費税が課税された場合に商品価格がどう推移するかの解説をやっていたけれど、懐かしいな。昔経済学の講義で聴いたことを思い出した。
それから、税金に関する三大原則の話。
・簡素
・中立
・公平
これも懐かしいな。
それから、税の累進性と逆進性の話。所得税が累進課税方式であるのに比べて、消費税については逆進性があるということが問題だと言われている。そこで、各国が税の軽減措置として行っている施策についての解説だが。例がおもしろかったので紹介すると、
英国:チョコレートをコーティングしたクッキーは贅沢品とみなして課税され、そうでないクッキーは食品、すなわち生活必需品と言うことで、非課税。
カナダ:ドーナツが5個以下では課税。6個以上では非課税。5個以下だとその場で食べる、つまり外食していると考えて、贅沢品だからということ。
ドイツ:ハンバーガーのテイクアウトは非課税で店内飲食は課税。テイクアウトは食品扱いだからだそうだ。
いろいろ考えるものだな。ただ、税の三大原則の一つ、「簡素」には反している気がする。日本では、低所得者へは補助金を交付することで逆進性を緩和しようとしているのだが、それがいちばん良いように感じるな。記憶がうろ覚えだが、当時の授業で、所得に応じた税負担をしてもらうために「累進性」「控除」「補助金」の3つのやり方があると聞いた覚えがある。そのなかで、補助金がいちばん良いと言っていた(確か・・・)。今度時間のあるときに調べ直してみよっと。
全体の流れとしてはこんな感じだったが、今国内で議論されている社会保障と税の一体改革に関しては何も触れられていない。ホットなネタだし、その中でN○Kとして意見を持っているように思われるのを避けたのかな。

来週は、後編と言うことで、新しい税を考えると言うことらしい。私も「これは!」という税を思いついたことがあるのだが、最近某国で実際に導入されるとか言う話を聞いて、やっぱりそうだったんだと思いを強めた。日本でも是非導入すべし。

ガイアの夜明け(2012/06/12放送分)

【争奪!アジアの理想郷~誰が貴方のズボンを作るのか?~】
今回のテーマは、世界の工場である中国が、人件費の高騰により、もはやコスト・メリットを発揮できなくなってきたという話。アパレル系の話ではあるが、他の製造業にも同じことがいえるのではと考えさせられる内容。
中国一辺倒からの脱却は何もコストだけの話ではなく、地政学的なリスクの分散という側面もあるということだった。ま、それは国内の震災の影響や中国のレアメタルに関する状況を考えても分かることではある。
それで、メーカーが中国以外のどこに生産拠点を移すかというと、同じ東南アジアのベトナム、フィリピン、バングラデシュなど、であるが、今回の注目はミャンマーだった。
ご存じの通り、ミャンマーは昨年(2011年04月)民政に移行したのだが、長期にわたる軍事政権下の影響で経済制裁を受けていたことにより経済発展が遅れており、月給の相場は日本円に換算すると5,000円(一人あたりGDPで800ドル)ということで、前述の列挙した国々の中で最も低い。
まず、中国の現状であるが。中国では、縫製の仕事をしたいという若者が減少し、大学を出てより条件の良い職場に行く若者が増えているとのこと。また、従業員の月給上昇は激しく、工場を維持するのが厳しい状況である。番組に登場した商社・住金物産の責任者は「中長期的に考えると、このまま中国で頑張るより次に活路を目指した方が良い」とまで言っていた。
そのような中で、ミャンマーにいち早く目を付けた会社・ハニーズへと話が移る。内容は、社内の基準に達するまで品質を上げていくために、ハニーズの派遣チームと現地のメンバーが頑張るという話だったが、これは人情話だね。でも、このエピソードの中で、停電が発生していた。電力供給が安定していないため、停電が日常茶飯事なそうだが、これだと「電力使用量が大きく」、「安定した電力供給が必須の」大規模な製造工場とかはまだ進出が難しいと感じるな
で、最後には、前述の住金物産の責任者もミャンマーに進出ということだった。
しかし、この番組を通して見ると、どうしても安い労働力を搾取している・・・女工哀史のような印象を受けるな。中国の労働力コストが高くなったから、他の国に乗り換えるということだけのような気がする。番組の中では、現地のメンバーを人材として育てることが重要だというようなことを言っていたが、レトリックに聞こえてならない。

未来世紀ジパング(2012/06/11放送分)

南太平洋の楽園、フィジーで格安合宿英会話レッスンを受けるという話。
カナダに留学するのに比べると値段が約半分で済むということで、最近人気が急上昇しているのが、フィジーということらしい。
フィジーと言うことで、リゾート気分でやっているのかというと、そうではなかった。学校の敷地内では日本語禁止(看板には、EOP:English Only Policyと書いてあった)で、日本語を3回言うとレッド・カードで退学処分になると言うから大変だ。学生は学校の近隣の一般家庭にホームステイしながら学校に通っているが、昼も夜も英語漬けで、これならばいやでも英語を覚えていくだろうなと思った。
フィジーが英語教育に適している理由として、
・フレンドリーで見知らぬ人にでも話しかけるお国柄
・親日ということ
・夜など遊びに出かける娯楽が少ない
ということが挙げられていたが、3番目に関しては?と思った。リゾート地じゃなかったのかな?
で、学生が約1ヶ月で抜群に英語力が上達するドキュメンタリーが中心だったが、さもあらんということで・・・。
で、未来予測としては「10年後英会話教室は不要になる」ということだった。これは今後の日本を支えて行くであろう若手のビジネスパーソンがグローバル時代に対応できて行くであろうという期待を込めてそう予測した・・・ということだが、本当に不要になるかな。現状は今と変わらないか悪くなっているような気がする。だって、10年後の中堅世代はゆとり世代のど真ん中だもんね。前職で採用面接とかしていたときも、就活者の質の低下にビックリしたから。
ところで、日本人は英語が苦手というのではなく、失敗を恥ずかしがるシャイな国民性が英語によるコミュニケーションを阻害しているというのは一理あるかも。ということで、番組の最後は、そういった人たちへのアドバイスを行っていた。
・「どう話すか」ではなく何を伝えるか
・「カタカナ英語」でもOK
流ちょうでなくても、ジャパニーズイングリッシュでもいいからとにかくコミュニケーションをしてみることが重要だとあった。

ところで、来週のテーマは、今突然石油大国となったカナダのお話。つまり、例の「オイルサンド/オイルシェール」の話だ。こっちの方が非常に楽しみではある。

アジアの風(2012/06/09放送分)

今回は、日本風のブライダルを東南アジア(中国、上海)に展開しようという話。この企業(ブライズワード)は「取り壊されそうになった歴史ある建物」とか「経営難などのより競売にかけられた建物」を結婚式専用にリノベーションして使っている。建設コストが半分程度になることと、趣のある建物により高級感を醸し出すなどで式場が人気となっており、それに伴って急成長を遂げている企業だった。解説によると2004年創業で、直近の売り上げは65億だとかいっていた。式の費用が300万円だとすると、年間2000組以上はこなしている計算だな。たいしたものだ~。
その他の特徴として、副社長はインタビューに対して、「おもてなし力」を挙げていたが、これは日本のブライダル関連企業としては当然のレベル・・・のような気がする。あえて挙げるほどの特徴は見られないな。
ところで、中国(上海)では、日本のように式場から、衣装、料理などをトータルでコーディネートするようなブライダル企業はまだ少ないと言うことで、そこに商機があるということだった。
ところで、結婚式や披露宴に関してはそれぞれのお国柄があって、そのまま単純に持って行くことは難しいんじゃないかな。と思っていたら、当然それは分かっていたな。
ちなみに上海でのブライダル市場はここ5年で2倍に拡大しているとこのこと。元々中国では、結婚式と言っても身内で近くのレストランで祝うというのが普通だそうだ。細菌ではホテルなどで披露宴をする形式が出てきだしたそうだが、「普段着(カジュアルな格好)」とか「客が先に食事を始める」とか、日本とは少し趣が違う。
で、評価に対してだが、かなり良かったのでは。ただし、中国人のニーズをいきなりつかむのは難しいので、まずは人材育成から始めることが重要ではないかと言うことだった。トータルサービスに対しては、高い評価だった。加油~と言っていたから、期待してはいるらしいな。

サービス業、特に接客を中心とするものに関しては、今回のブライダルに限らず、東南アジアではもっといけると思うのだが。

マネーの羅針盤(2012/06/09放送分)

「節電で日本が大きく変わる」ということだが、この番組は放送時間が短いし、今回は特に情報の寄せ集めという感じが強くて、何を意図しているのかがあまり伝わってこなかった。
主に言っていたのは、「昨年のクールビズ関連の経済効果が2200億円あり、今年はさらに電力需給が逼迫するので、昨年以上の経済効果が望めるのではないか」ということと、日本の電力事情に関しては「高い技術力で安定供給が可能であり、さらに狭い国土で効率的である」ということだった。
原発の再稼働に関しては言及はなし。
他はスマート・ハウスのような「HEMS」の話。補助金がつくとかどうでもよいし・・・。
BS版は、シェールガスとかメタンハイドレートとかの話で、技術が進んで商業化のめどが立てば日本は資源大国だという話もあったが、これって節電じゃないじゃん。
やっぱり話がばらばらの感はぬぐえない。放送時間が30分と短いし、後述の株価、為替の動向などテーマと関係ないコーナーもあるので、メインの部分に関してはもう少し論旨を絞って解説してほしいな。

そして、今週の株価の動向については、日経平均は戻りが鈍いが、NYダウは大幅上昇。理由は米国や欧州の中央銀行が景気の下支えのための金融緩和策に出たことと、中国3年半ぶりの利下げを行ったことを好感したもの。他の海外市場でも株式は上昇傾向だが、上海だけはマイナス。これは、中国の景気減速に対する懸念がいっそう強まったことが背景にあるということだった。
アナリストの予想では、来週もガソリン価格の下落を背景に小売売上高は堅調に推移する見通しだとか。他の経済指標に関しても、「欧州からネガティブなニュースが出てこない限り」緩やかに上昇していくものとみられるそうだ。
しかしながら、欧州の不安を背景に、企業収益予想は弱含みの状態だそうだ。
ということで、引き続き欧州と中国の動向には目が離せない状況が続くな~~。

カンブリア宮殿(2012/06/07放送分)

【世界中のライフスタイルを変えよ!アマゾン帝国の全貌】
Appleの亡くなったスティーブ・ジョブズ氏や、facebookのザッカーバーグ氏のようにメディアへの露出が多いというわけではないし、発言が取り上げられることもあまりないので、知らない人も多いのがAmazonの「ジェフ・ベゾス」氏だ。私自身も彼が動画で喋っているのを見るのは初めてなので、興味深く見た。彼は、番組の収録時には来日していて、彼と小池栄子さん、村上龍氏がアマゾンの市川センターで対談するという形式で番組が進行していた。
アマゾンと言えば、私の場合は、特定の書籍がほしいとき(つまり何がほしいか分かっているとき)、よく利用している。書店に行くこと自体が手間だし、広いフロアの中で目的の書籍を探すのは面倒だし、必ずしもあるとは限らないし。もちろん、中身を確認してから買いたいような場合は実際に書店に足を運ぶ。しかし、そうでない場合はもっぱらアマゾンを使っているのだ。たまに、書籍以外のものを買うこともあるが、基本的には書籍以外は買わないな。特に古書に関しては、それまで国内にこれだけ大規模に、さまざまな書店を横断的に検索できて、価格も比較できて、さらにそれが郵送されてくると言うサービスはなかったので、大変重宝している。
ところで、アマゾンでは、こういった書籍の販売から始まって、今ではあらゆるものを販売している。野菜などの農産物もあり、番組では個人農家がアマゾンで農作物を売っていた。こういった、「良いものを作っているのだが、販路がないためになかなか売れない」というような農家にとって、アマゾンは良い販売経路になるのでは?
アマゾンの特徴としては、カスタマー・レビューだ。名称はいろいろあるが、今ではあらゆる通販サイト商品の所感を書き込む機能が存在する。アマゾンで古書を買ったら、売った書店を評価してくれとメールが来るので、最初は書いていたが結構面倒くさくなって最近は買っても評価はしないことにしている。それに、書店の評価はそんなに変わらないはずだしね(どの書店もきちんと梱包して、ASAPで郵送してくれると言うこと)。
また、ステマの存在に関しては番組では触れられていなかったが、実際に購入した人のレビューかどうかが分かる仕組み「Amazon認証購入者」を導入している。ステマをしている人が実際にアマゾンで商品を買ってから書き込むのであれば無効な仕組みではあるが・・・。でも、星の数の分布を変えようとすれば、相当数の商品を購入せねばならないので、ステマする人にとっては大変な手間とコストがかかる、と言う意味で効果は望めるのかな。
ところで、ベゾス氏は、「顧客主義とは何をやることか」の問いに対して「顧客の求めていることを把握し、それをどうやったら提供できるかを考える」と答えて、「逆回りの思考」と名付けていると言ったが、これってただの顧客志向マーケティングじゃないの?独自性が感じられない。もしかしたら、もっと深い意味があったのかも知れないが、番組ではそこまで言及していなかった。
アマゾンでは、「レコメンデーション」という「同じ購入パターンを持つ顧客」を分析してお薦め商品を表示する機能があるが、これも善し悪し・・・。個人的にはあまり分析してほしくないな・・・。
それから、「1-Clickサービス」と言って商品を1回クリックするだけで購入できる(発送先や、決済方法などを入力する必要なし)機能がある。これは便利だが、私は使っていない。というのはなぜかというと、この機能が最初に導入されたとき、原価計算に関する専門書を購入しようとして1-Clickサービスを使ったのだが、「購入されました」という表示が画面上に出なかったか、目立たなくて認識できなかった。あれ、うまく行かなかったのかな?と思ってもう一度クリック。そのとき購入しようとしていたのが3冊でそれを2回ずつクリックした。後日、書籍が6冊送られてきたのだ。多分今は画面表示など改善されていると思うが、最初の事件がトラウマになっていて、必ず手順を踏んで購入するようにしている。といっても、登録してある情報を選択するだけなので、手間はそれほどかからないのだが。
最後はキンドルの話。国内では販売していないが、ベゾス氏の話によると年内にはうれしい報告ができると言っていたので、どうなるか楽しみ。

ベゾス氏が日本のテレビにこれだけ登場するのは初めてではないだろうか。カンブリア宮殿のfacebookページでは、テレビ未放映の対談も公開されているので、そちらにも注目したい。

オイコノミア(2012/06/05放送分)

今回は「オークションに勝つ!」(後編)ということで、より深いオークションの話。
最初は花きの卸売市場を紹介。これ初めて見たけれど、すごくおもしろい。スピードメーターみたいなのが競りの価格で、そのバーが下がっていく間に値段を決めるというものだが、本当にあっという間に価格が決まっていく。実際は、卸売業者はPCの画面を見ながら値段を決めるようだ。そして、落札業者が決まったらそのままベルトコンベアで流れていくようで、多分業者ごとにコンベアの行き先が決まっているのだろう。多分ここまで全てシステム化されていると見受けられる。多くの商品を短時間でさばいていくために導入されたのだと思うが、とても効率的に行われていると感じた。
次に、オークションのメリットについておさらい。売る側にとってのオークションのメリットは、売ろうとする商品の市場価値を調べるコストをかけなくて良いことだ。そして、又吉さんが実際にオークションで私物を売る実験。出品から発送まで代行してくれる業者の存在は知っていたが、初めて見た。意外とちゃんとしたところだな。発送する手間は結構あるので、便利かな。地元にはないのだろうか?今度調べてみよっと。
そして今週の目玉である「勝者の呪い」の話。これは、対象の商品の経済的価値が、落札価格を下回ることを指す。勝者の呪いはあくまで対象の商品の経済価値に注目した場合である。番組の例では1950年代の米国内における油田採掘権のオークションが紹介されていた。油田の埋蔵量は推定でしかない。そのとき、いちばん楽観的な推定をした者がオークションで落札することになる。すると、平均的には、石油採掘による便益が投資額(落札価格+設備投資など)を下回ることが多くなったことで、そう呼ばれるようになった。
しか~~し、番組の説明と、勝者の呪いを実践するためのゲームは分かりにくかった。番組では、「共通価値は入札価格の平均でそれより高く落札した分だけが呪われる」という説明だった。油田の話でいうと「オークションで入札した価格の平均値が共通価値」ということだが、実際はそうではなくて、「油田の共通価値は、事前には分からない」、つまり掘ってみなければ分からない(例え事前に入念な調査をしたとしても)ということである。つまり「共通価値は商品の一般的な経済価値そのもの」だけれども、そこら辺の説明が曖昧だった。私が番組中における解説の意図を取り違えたのか?今回の目玉だけに、もっと丁寧に解説してほしいなと思った。ちなみに共通価値と対比して言われるのが私的価値である。その商品に対する特別な思い入れだとか、嗜好がある場合、その個人にとってその商品は私的価値があるという。私的価値をベースに落札した場合は、勝者の呪いは発生しない。
結びとしては、オークションは公平で自由な市場取引を実現するための手段の一つで、そのための制度設計を経済学者などが進めていると言うことだった。米国で実施されている、電波の周波数帯域の割り当てをオークションで決めるシステムもその一つだと言うことだ。電波の周波数帯などはまさに限りのある資源で、そういう有限な資源が公平に分配されるということは、経済学の本来の目的に合致しているなと感じた。

ガイアの夜明け(2012/06/05放送分)

サブタイトルは【”頭打ち市場”を突き抜ける!~老舗企業・・・大逆転の秘密~】
ということで、前半は森下仁丹、後半はマルコメの話である。
前半の森下仁丹に関しては、仁丹の製造技術を活かして全く別の製品を製造するというもの。ところで、最初の解説の中に、森下仁丹の売上高は最高で37億円あったのだが、現在は3億円とあったが・・・って、売り上げが10分の1って危機的じゃん。こんなになるまで手をこまねいていたのということにまず驚くな~。誰も手は打たなかったの?。実はコーポレート・ガバナンスに問題あるとか、老舗企業だけに過去の成功体験にとらわれていたとか、なのかな(この辺は説明はなかったけれど)。そしてやっと社外に人材を求めて社長を招聘したけれど、判断遅くない?
で、森下仁丹があの丸い粒(カプセル)を作るのには独特の製造技術があって特許取得済みなのだそうだ。それを応用して、メグミルクとの共同開発で、ビフィズス菌を中に閉じ込めたカプセルを開発して、カプセル入りヨーグルトとして売り出した。このヨーグルトは知っていたが、あのカプセルが森下仁丹によって作られたものだとは知らなかったな。森下仁丹のカプセルは胃酸では溶けずに腸で溶けるようになっていて、ビフィズス菌が胃酸で死なずに直接腸まで届けられるので、効率よく摂取できるというもの。
森下仁丹のカプセル技術は、世界中で150社、1,000もの製品に応用されているそうで、技術が高く評価されていることがうかがえた。カプセル技術を研究する新しい研究施設を建設するなど、この技術に賭ける意気込みはすごい。その施設では、食用だけでなく、シロアリの擬似卵(毒入り)カプセルの開発も進んでいた。シロアリが、この擬似卵を巣に持って帰り、そこで毒が蔓延してシロアリを全滅させるものだ。トロイの木馬のような、えぐいカプセルだな!さらに都市鉱山からレアメタルを回収するためレアメタルをえさにする微生物(バクテリア?)を封入するカプセルも開発するというから、本当に幅広い応用を考えていると感じる。その仕組みは、レアメタルが溶け込んだ廃液の中にそのカプセルを入れると、レアメタルだけがカプセルの表面の膜を透過してカプセル内の微生物に取り込まれる。一定時間経過後にそのカプセルを取り出して燃焼させると、レアメタルだけが残るというものだ。これはすごい技術だな。
でも、こうなると、森下仁丹の「仁丹」という部分はもう生業にそぐわない気がする。でも、伝統的な社名としてずっと残していくのかな。

後半のマルコメに関しては、味噌商品と、マーケティングを中心とした販売拡大を図っていくというもの。まず登場したのは「液味噌」。そして「糀ジャム」「塩糀」など新しい商品。そして味噌サーバーという、オフィスで手軽に味噌汁が作れる装置の販売など。でも、味噌サーバーは要らないな。オフィスでは、インスタントの味噌汁でいいんじゃないかな?さらに、海外でも味噌を売っていこうということだが。番組を見る限り、日本の味噌をそのまま海外で売ろうとしているらしい。味噌汁は日本のソウルフードだから、海外の人の舌・味覚にはなかなか合わないんじゃないかな?海外では、外国人の味覚にあった新しい味噌の開発が必要だと思うが。
前半の森下仁丹に比べると、後半のマルコメに関しては「まだ自分の殻を打ち破れていない」という印象を持った。味噌~糀~バイオ技術というところから新しい商品開発につなげていかなくて良いのかな。