今週は、今年も折り返しと言うことで、半年の経済状況を振り返り。
まずは、59兆円という数字。日経平均株価の上半期は、3月の最高値10,255円で、6月には最安値8,238円を記録した。その際に失われた時価総額がその59兆円ということだった。
小泉内閣当時の金融庁長官であった五味廣文氏の言によると、小泉政権時代と違い、現在の銀行の経営は健全な状況であり、リスク管理ができているということだった。ただし、日本の金融機関は集めた預金で日本国債を買っている。金が民間の投資に回らないので、国富を増やすことに繋がらないと言うことだった。
それが、日本のGDPが20年間ほとんど伸びていない理由。そのため、成長戦略が立てられていない。政府も民間も悪いけれど、政府が既得権益などを壊さないと金が回らないということで、政府の責任が大きい。民間銀行はもう少しリスクを取っても良いのではないかと言うことだった。
そういう状況下での円高は、欧州の不安などを踏まえてリスク回避的に円が買われていると言うことだった。
で、今週の一言「入るを図りて出を為す(礼記)」
今週は駆け足の内容だった割にはいろいろ話が出てきたな。
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日本と世界のマーケットについて
日経平均株価は先週の最安値から711円と大幅上昇。
NYダウも週の後半にかけて大幅に上昇した。しかし来週発表される米国雇用統計が厳しいものになるので株式市場も厳しいだろうとのことだった。
株式は、上海総合指数のみ下落しており、中国の経済成長に疑問符が付いていると言うことだった。中国政府の発表する指数は実態がよく見えないということだが、株価は実態に近いのではないかと言うことで、上海総合指数が下落している。要はインフレ抑制と経済減速のバランスがうまく行っていないのではと言うこと。
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それから、スペイン金融28社を格下げ(ムーディーズ)。EUは相変わらずホットだな。やはり寄り合い所帯の弱さを露呈と言うところか。しかし、五味氏は、独国のEU離脱も、ギリシャのEU離脱もないと言い切っていた。独国はEU加盟国に対してきちんと財政規律を守らせて、その上で支援を続行するだろうと言うことだった。で、独国メルケル首相の2007年当時と現在の顔写真を比較して、「彼女は(そういう)覚悟ができた顔になった」と言っていた。私から見るとただ老けただけのようにしか見えなかったが・・・。