今回は池上彰シリーズ「これからの日本を考える」第1弾として、”核のゴミの行方”について解説するというもの。
うーん、今回は、既出の情報ばかりだった。原子炉で使われた核燃料の処理には主に2種類あって、
・再処理せずにそのまま埋めてしまうもの(これはフィンランドで実際に始まっている)
・使用済み核燃料のから新たに核燃料を生成しようというもの、そしてその際にできた再利用不可能なものだけを処分しようというもの(日本などでやろうとしていること。ただし、日本では再処理施設が本格稼働に至っておらず、海外に再処理を委託していると言うこと)(核燃料リサイクルってやつね)
ということが主な話だった。
でも、池上氏が実際にフィンランドの最終処分場や、青森県六ヶ所村の貯蔵施設を訪問するというところはおもしろかったな。
特に、フィンランドの最終処分場はすごかった。「オンカロ」と呼ばれる施設で、厚い岩盤をくりぬいた地下深く(500m位の深さのところ)に10万年単位で使用済み核燃料を保存する場所を作っていた。SFにでもでてきそうなところだった。フィンランドは日本と違って地震がないので、岩盤が安定してこうした施設で超長期にわたって保存することが可能なんだな~。日本では無理な話だ。
その日本の現状は言わずもがな、世間では原子炉の再稼働を巡って連日ニュースが流れているが、実は最終処分の方法が決まっていない段階で、原子炉をたくさん作ってしまった(ある意味見切り発車した)ことのほうが結構重要なのでは・・・、という解説だった。実際、使用済みの核燃料は最終的な生き場所もないまま、着実にたまっていっているというのにね。
で、これで話が終わりかと思いきや、最後に「Ω(オメガ)計画」の話がちょろっと出てきた。いきなり超専門的な話題に飛ぶな~~。私もこの計画のことは忘れていたよ。これは、使用済み核燃料から、放射性物質を半減期ごとに大別して分離し、半減期の長い放射性元素に対しては、ガンマ線などの放射線を当てて人工的に核を分裂させて半減期の短い元素にしてしまおうという計画。これ、まだ研究していたんだ。ずいぶん前にちょっとだけ聞いて、その後全く音沙汰なしだったから、立ち消えになったのかと思っていた。でも、池上氏の話によると研究しているのは数名というから、似たようなものかな。でも、当時の私が聞いた話では、日本のこのオメガ計画に触発されて海外でも同じ研究を始めたとかいっていたけれど・・・。日本がとろとろと研究していたら、海外の方が先に実用化しちゃうんじゃないかな~~。