アジアの風(2012/08/11放送分)

前回に引き続き、京都の洋菓子店「一善や」が台湾に出店するための奮闘ぶりを取材したもの。
前回は、生クリームの調達に関して、5倍のコストがかかると言われて辟易していたが、その話は片付いたのか?今回は生クリームに関してはほとんど登場せず。そして、今回は生クリーム以外の原材料である、フルーツ類の調達に関してと、マーケティングに関して(どこで、いくらで売るかと言うこと)
まずは、フルーツの調達であるが、台湾ではさまざまなフルーツを外国から輸入しており、日本のリンゴ(紅玉)も手に入るようであった。果物屋の女主人らしき人から「とても高いよ」と言われていたが、それでもたくさん買うと言っていた。良いものを作るためには原材料を惜しんではいけないと言うことか?
で、そういった原材料費、加工費、人件費などをベースに1個あたりの価格を試算していたが、ざっと180台湾元で、日本円で470円くらいとなる。一膳やの日本での価格と同じくらいだそうだが、台湾では普通のケーキの3倍の価格と言うことで、これってめちゃ高いじゃん。台湾ではラーメンが50~60台湾元くらいだそうで、ラーメンの3倍の価格のケーキというのは、うーんという感じ。やはり、生クリームのコストが一番高いのだが、中村社長はどうしても生クリームに拘りたいと言っていた。
この価格に関して、番組ナビゲータも、この価格は完全に富裕層向けの価格であり、中間層のアッパーでは手が出ない価格だろうと言っていた。
この超高価格帯のケーキをどこで売るかというと、地元の高級ショッピングモール「微風広場(Breeze Center)」というところ。グッチやルイヴィトンなども入っているモールらしい。
で、ショッピングモールの日本人支配人に直談判。やはり現物を食べてもらうという作戦。「これを食べてもらえば絶対評価してもらえる!」というくらい味に絶対の自信があるんだな。
現地のバイヤーも一堂に会して試食。お約束の100点満点をもらえていた。そして、最優先で出店を考えたいという言葉ももらっていた。
ということで、今後は実際の出店に向けた具体的な話をしていくというところで番組は終わっていた。

今回は、(裏で番組スタッフが事前に根回しなどをしていないとして)本当にうまく行ったなという感じ。一膳やの中村社長は、こう言っては何だがあまり国際的にばりばり活躍すると言ったタイプの方ではなくて、本当に職人気質の人という印象を受けた。台湾の市場をうろついている姿は「裸の大将放浪記」のような印象さえ受けたし。
もちろん、JAICAをはじめとした周囲のサポートがあったにせよ、今回の成功は中村社長本人の強い意志のたまものだろう。
番組ナビゲータも、中村社長の強い思いが困難を乗り越えてここまで来ることができたと言っていた。
実際に出店されるまではまだいくつもの困難を乗り越える必要があると思うが、それらを一つ一つ克服してアジアで成功することを祈りたい。