【「年輪経営」で社員の幸せと会社の永続を目指せ!】という題で、長野県の伊那食品工業の塚越寛会長がゲスト。
まずは、会社の工場をガーデン(公園と寒天を中心とした食品の販売や寒天を中心とした飲食店を運営しているテーマパークみたいなもの)として開放しているのはすごいな。今はセキュリティの関連で、工場に外部の人を入れるのはまれなのに。
この伊那食品工業は寒天の大手メーカーだが・・・って、伊那食品工業って、聞いたことなかったよ。売上高174億円でシェア80%、従業員453人というから、長野県を代表する企業だな~~。寒天自体は、食物繊維が豊富でカロリーがほとんど0だから、健康食品として女性を中心に人気がある。
この企業の理念を一言で言えば「永続する」ことで、そのためには身の丈に合った成長が必要と言うことかな?それを塚越社長は「年輪経営」と言っていた。それで、48年間増収を続けたというのはすごい(その後いったん減収に転じるが、それは後述)。
番組で、年輪経営の極意として紹介されていたのは、
1.売りすぎない、長野県以外では都市圏にぽつぽつと店舗が展開しているだけ
ある商品(カップゼリー)を大手スーパーから全国展開するように提案されたが断った
2.作りすぎない、なるべく廃番にしないと言うことで、ロングセラー商品が多くなる
番組では、商品開発している部門も紹介されていたが、新商品が開発されてもすぐには日の目を見ないということらしい。売り上げ目標もない・・・なんてすごい。KDDI、村田製作所、帝人、パナソニックなどそうそうたる大企業が伊那食品工業に視察に訪れていたが、それだけユニークと言うことか。
そんな伊那食品工業だが、2005年の寒天ブームの影響を受け、売上が急に伸びた。しかし、ブームが去って、その反動で減収を記録した。塚越社長は、ブームを受け顧客と従業員からの要請で増産に踏み切ったが、従業員が疲れ切ってしまったので、ブームが去ってちょうど良かったと言っていた。
伊那食品工業は「終身雇用」「年功序列賃金制度」によって従業員のモチベーションが高い様子が取材されていたが、彼らは本当に生き生きとしていたな~~(ま、生き生きとした人の映像を中心に使ったのだろうが・・・)。それにしても、従業員が自主的に早出してガーデンやトイレの掃除をしていたし・・・。そして、さまざまな制度や手当が紹介されていたが、一体どれだけ、従業員に還元しているのか、ビックリするな。一人の従業員の家を取材していたが、土地が120坪で高台に位置しており、建屋自体も比較的大きな家を建てられるのも将来に対する安心感があるからかな?
10億円を投資したR&Dセンターは、売上規模に比べると比較的大きな投資。映像を見る限り、かなり良い環境で開発をしている様子だった。番組では弾力性のある寒天を塚越会長が試食していた。この食感には私も興味がわいた。他に可食性のフィルムが紹介されていたが、これは実用化されたのか?そして、寒天カスを土壌改良剤(アガーライト)にしたり、寒天を利用した医薬用カプセル、歯科医療用の歯型を取るゲル、化粧品(保湿力を利用した)を開発したりと、寒天を中心としていろいろなドメインに向けた商品を開発していた。アガーライトは鉄分やミネラルを大量に含んでいるらしい。
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終身雇用や年功序列制度に関しては、向く企業と向かない企業があるだろうなと感じた。あまり大きすぎる企業では、逆に年功序列は向かないかも知れない。塚越社長は抜擢のある年功序列制度だと言っていたが、逆抜擢もあるのかな?その話はなかった。
村上龍氏が番組の中で塚越会長の書籍中の一文を紹介していたが、それが「利益は健康な会社から出るう○ち」である!これはすごくインパクトがあった!利益がうん○とは!。その説明として塚越会長は、人間は排泄するためにものを食べているのではない。健康になるために食べているのだ。企業も同じで、永続するるためには隅々まで栄養(つまり稼いだお金)が行き渡らないと行けない。まずは従業員に還元して、職場も快適にして、研究開発費などに投資して、最後に残ったのが利益だ、という言っていた。これは名言だよ。ドラッカーもビックリか~~。ちょっと下品だから逆にインパクトがあるな。
そして、もう一つ塚越会長が言っていたのが「全ての企業は開発型であるべきだ」ということ。企業が永続するためには新たな商品、新たな技術、新たな販売方法など、あらゆるものを新に生み出していかなければいけないということで、この意見にも賛成だな。
塚越会長の書籍を読んでみたくなった!