オイコノミア(2012/09/04放送分)※再放送09/09

「食べて美味しい経済学!?」(後編)、テーマは食。今回は後編。
まず、行列ができる店に関して。私は行列が嫌いなので並ばないが、行列には「シグナル効果」というものがある。人は商品(やサービス)に関する情報が少ないとき、他の人の購買行動を参考にする傾向がある。ということで、行列には、商品の価値推定機能があるということ。ま、必ずしもそうとは限らず、店内のオペレーションがまずくて行列ができているのかも知れないが。一般的には、人気がある店はおいしいと言うこと。このシグナル効果は通販にも通じるものがあって、他人のコメントを参考にして購買の判断を決める傾向がある。これを悪用したのがステマ(ステルス・マーケティング)なのだが。
次に、お店のコースで松竹梅コースがある場合、人は真ん中を選ぶ傾向がある。これは、極端回避性。
また、情報の非対称性の話から、賞味期限の話。例出していたのは、
・牛乳パックに、賞味期限が記載されているものとされていないもの
・同じ値段のトマトに産地が記載されているものとされていないもの
そして、中古車の話から、レモンの原理(番組ではそう言っていたが、一般にはレモンの市場ではなかったかな?)ここで揚げ足を取ると、大竹教授はレモンの話で「切ってみないと味が分からない」と言っていたが、これも「英語でレモンは、よくないことやうまくいかないことを指す」ことから転じたものだと思うのだが。
さらに、食べ放題の話で、「規模の経済」が出てきた。食べ放題では、一人前ずつ調理するのではなく一度に大量に調理するので、大量生産効果があるというのだが。そして、もうひとつは「自信過剰バイアス」。これは、人は自分の食べる量を多めに見積もるものだということ。で、結局食べ放題ではいくら食べても店がつぶれることはない(それこそ関取やプロレスラーばかりが大量に押し寄せたらつぶれるのだろうが・・・)。
ところで、2050年には世界の総人口は90億人になることが予想されており、食糧危機が訪れるのではないかといわれている。そこで、又吉さんが訪問したのが、植物(野菜)工場。植物工場は日本向きかな。というのも、農家一戸あたりの耕作面積は、EUで日本の7倍、米国では100倍、オーストラリアは1,600倍だから。日本の農家はこのままでは立ちゆかなくなりそうだ。
最後に、1991年に牛肉とオレンジの輸入が自由化された。当時は、日本の農家をつぶす気か!と、相当なすったもんだがあった。しかし、蓋を開けてみると、逆に米国などで温州ミカンはクリスマスオレンジとして人気があり(というのも、米国オレンジの端境期にちょうど温州ミカンが出回るので)、輸出が好調なのだそうだ。ということで、日本の高品質(おいしい、安全と言うこと)がブランドとして認知されており、そういったセグメントに対しては、日本の農産物は十分に立ち回れるのではないかという話で終わった。もう少し突っ込むところもあったようだが、大竹氏は政治学者ではなくて経済学者だから、がつんと言わなかったな。ちょっと前に話題になったTPPの話が出てきても良いところだったが、それもなかった。

でも、今回は短い話の中にいろいろと経済学の話をちりばめておりおもしろかった。

再放送を録画したものを見ながら書いているので、投稿が相当遅くなった。もう、次の回が来るじゃん。