カンブリア宮殿(2012/09/20放送分)

【カニカマ製造機で世界シェア7割!知られざるグローバル中小企業】
まずは、世界でかにかまが食べられているという話から。ビチュナイという、リトアニアにある会社がかにかまの製造では世界一の企業であり、ヨーロッパを中心に「SURIMI」としてかにかまを提供している。日本では、カニの模造品、代用品のような扱いだが、ヨーロッパでは最初から魚のすり身として、人気なのだそうだ。
そしてゲストは、食品関連の製造機械、特にかにかまの製造機では世界シェア7割を誇る、ヤナギヤ社長の柳屋芳雄氏。
今の社長は3代目。会社は山口県宇部市にある。もともとは、かまぼこ業者だったが、職人のかまぼこを練る作業の重労働を見かねて、自動練り機を作ったのが始まりで、そこから食品機械製造業へと転身していったというもの。
柳屋社長の方針としては、頼られる企業になることが生き残りの必要条件だと言うことで、そのために、以下の点を強調していた
1.誰もやらないことをやる~とにかく他の企業であれば尻込みするような仕事でも請けるというもの。紹介されていたのは、山口県下関市の水産大学校のふぐ加工機だったが、確かに面倒なふぐの皮むきなどを自動化する機械を試行錯誤して納めた感があった。そのような試行錯誤が、自社の技術力、ノウハウの蓄積になるから、大変そうな機械でもやっていこうというものだった。
2.客の仕事を知り尽くす~紹介されていたのは、豆腐の製造機であったが、にがりの配合など豆腐メーカーの職人並みの知識を持っていた。顧客の社長も、いろいろな提案をしてくれるとか、いろいろな要望に応えてくれると高評価だった。
3.一歩先を提案する~顧客に、今までに無い商品の提案をしていた。まだ、提案した仕様を満たす機械の設計図もすぐに着手。提案型と、素早い(アジャイル)対応力が発揮されていた。
柳屋社長は、雑食性企業が生き残る。いろいろな機械をすぐに作れるのが、中小企業の良いところだ。と言っていたが、BtoBとBtoCでは違うだろうなという気もする。大量生産する機械であれば、プロセスやら製造機械やらをあれこれ検討しなければいけない。個別受注生産とは違うよね。

東日本大震災では、かまぼこの一大生産地である、東北の太平洋沿岸に甚大な被害をもたらした。ヤナギヤが納めた機械の多くも、がれきとヘドロ、海水にまみれてしまった。ヤナギヤでは、再建の意思のある顧客企業から機械をいったん回収して、山口の本社で泥やさびを落として復旧させた。

来週は、「海洋堂」。ここは、他の企業の常識が通用しない特殊な企業だが、それはそれで楽しみではある。