【”魔の三角地帯”が中国の経済特区に】
中国が陸続きの南部、タイ、ラオス、ミャンマーをつなぐ「南北回廊」と呼ばれるハイ・ウェイを建設し、南下戦略を推し進めているという話。
その昔「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれるタイ・ラオス・ミャンマーの国境地帯を結ぶ三角地帯は、世界最大の麻薬(アヘン、ケシ)の生産地帯だった。そこを支配していた麻薬王「クンサー」が捕らえられた後、中国の資本によりハイ・ウエイが建設され、そこが大きな変貌を遂げていた。そこは観光地として人気を博し、南北回廊を通って中国人観光客が押し寄せていた。さらに中国はそのゴールデン・トライアングル(のラオス領内)に経済特区を作った。中国がラオスから土地を99年間借り受けて、さまざまな設備を建設していた。例えば、カジノ、競馬場など。中国人のレジャー地域となっていた。公安警察なども配備されており、すでに中国化されている感じであった。
一方で、ラオスやミャンマーなどは中国への依存を深めることに対する警戒心を深めている。
日本にとっては、タイなどの沿岸地域に工場を持っており、中国の内陸部に製品を輸出するルートとして南北回廊を利用しようという動きもある。今までは海上輸送して上海などから内陸部に運ぶしかなかったのだが、トラックによる陸送ができれば、コストと時間を短縮できる。番組では、双日の営業マンが輸送ルートの状況を確認するところに同行していたが、コールドチェーンは確保できていたということで、生鮮食料品の輸送も問題ないようだった。
しかし、このハイ・ウェイ、ラオス国内の道路ではタンクローリーが横転していたり、崖崩れが起きていたりと、整備状況は今市のようだった。そして、ラオス領内なのに、タイと中国が建設していたというのは、タイと中国の思惑かな?。ラオスは、ただの通過地点にならないように、小さな抵抗(コンテナごとの積み替えが禁止で、中身を人家セイン術で載せ替えなければならないなど)をしていたりと、複雑な思惑がうごめいているなという感じ。
最後に、日本は南北回廊に交わるように東西回廊という道路を建設しており、これらの道路によってこの地域の発展が期待できるという。
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ストロー効果という言葉があって、特に日本で高速道路や大きな橋、新幹線が建設されると、その一方の町や都市にもう一方の町や都市に住んでいる人たちが押しかけるようになり、大きな方はより大きく、小さな方は寂れてしまうということがある。今回紹介された高速道路は、ストローの吸引ではなく、その反対で、経済発展の余力の大きな他方に人が流れているという印象を抱いた。中国の南下戦略は内陸部で着々と進んでいると言うことで、他国の警戒もあるのだろうが、影響力の増大は避けられない状況のようだった。