オイコノミア(2012/10/09放送分)

「ケータイ買うならどれにする!?」(前編)
まずは、又吉さんがいつも通っている美容室に行って散髪。そこで「美容室を替えない」のと「携帯を替えない」のは同じ状況ではないかという疑問を呈する。
携帯(キャリア)を替えない理由としては、以前は「電話番号が変わる」「同じキャリア同士でないとショートメールが送れない」というような理由で携帯を替えなかったのだが。
今回は「ネットワーク外部性」が大きなテーマ。携帯が発展するのはネットワーク外部性のたまもの。安田洋祐氏は「直接的ネットワーク外部性(見える外部性)」と「間接的ネットワーク外部性(見えない外部性)」の2種類があると言っていたが、これは初めて聞いた。携帯などは前者であり、ゲーム機とゲームソフトは後者、クレジットカードなども後者。
ネットワーク外部性に勝利するためには、規格競争を勝ち抜かなければならない。つまり、デファクトスタンダードになる必要があるということ。日本ではVHSとβの争いが有名だ。番組で紹介していたのは、まずは南北戦争時代の米国内の鉄道の線路幅の規格争い。7種類のレール幅があったというのは驚くな。結局戦争に勝った北軍の規格(1.44m)が「標準軌」になったそうだ。それから、電力も「交流」「直流」とで争いがあったというのも初めて聞いた。勿論、VHSとβの戦いも紹介されていた。これは、コンテンツを制したという話。
さらに、デファクトスタンダードで、タイプライターのキー配列がQWERTY型になったのもデファクトスタンダード競争の結果だという。このうちにくい配列よりももっと人間工学的に優れた配列が存在するのかも知れないが、今となっては新しい配列を作ろうとは思わない。
で、囲い込みの話。今利用している商品やサービスから他のものに乗り換えるコストのことを「スイッチング・コスト」という。これには、実際に金銭や時間などで定量的に計れるコスト以外に、例えば使い方を覚え直さなければいけないとか、(携帯番号が変わったら)皆に連絡しなければいけないとかいうコストも含まれる。
番組で紹介していたスイッチング・コストの種類は以下の6通り
1.契約上の権利義務(一定期間の契約を義務づけたりするもの・・・携帯の2年縛りが好例)
2.優待プログラム(月ごとにポイントがたまったり、無料通話が繰り越されていくこと・・・これを捨てるのはもったいないという意識が働く)
3.調査のためのコスト(新しい商品やサービスの機能を調査する時間と手間がかかること)
4.耐久財とそのアフターマーケット(プリンターのインクカートリッジなど)
5.コンテンツのデータベース(ゲームや映像、音楽などのソフトをたくさん持っていると、それ以外の規格に乗り換えにくくなるということ)
6.商品に特化したトレーニング(キーボード配列のように、他の並び方になるとトレーニングする手間がかかるもの)
最後は、囲い込みは損か得かという話。囲い込みは必ずしも悪ではないが、結果として市場が独占状態になると、消費者は独占価格を甘受しなければならなくなるところが問題。

独占市場というのは怖いな~。ということで、私は常に市場のNo.1の製品を買わないことにしている。どちらかというと、業界2~3位の製品、サービスを買うことにしている。携帯はNではなくてAだし、自動車もTではなくてH。ま、今は国内市場だけではなくて、世界市場を相手にしなければいけない時代なので、ある業界で国内のメーカーが一つになっても独占価格になることはないだろうけれどね。逆に国内が一つにまとまるくらいにならなければ、海外メーカーと戦えない時代といえるかも知れない。韓国など政府主導でメーカーの統合を進めたが、日本もメーカーの体力が落ちる前に意図的に統合して、海外で戦える力を付ける必要があるかも知れない。

今回は携帯電話の話なのだが、番組後半の内容は携帯からそれてしまって、デファクトスタンダードからスイッチング・コストの話になっていた。でも、携帯各社の争いってまさにそれかな。