カンブリア宮殿(2012/10/25放送分)

【伝統の中の革新経営!マネキンビジネスの真髄に迫る!】
デパートなどの洋服売り場で圧倒的なシェアを持っている吉忠マネキンの吉田忠嗣(よしだ・ただつぐ)氏がゲスト。
シェアを拡大していった戦略としては、業界で初めて「マネキンのレンタル」を始めたとこと。デパート側は季節や商品に合わせて希望のマネキンをレンタルでき、在庫をする必要が無かったり、傷が付いたり壊れたりしたものの補修をしなくても良いという。
で、他社を圧倒する吉忠マネキンの特長としては
・再生技術(リサイクル)
 レンタル中に傷ついたり壊れたりしたマネキンを補修して再利用することで、コストを下げる。
・豊富な在庫(10,000点)
・客の要求に徹底対応
 既存のマネキンを改造して顧客の要望に合ったマネキンを作る。
ということで、国内デパートの90%で使われているとともに、世界30カ国で使われているそうである。また、マネキンだけしか登場しないコメディー番組「オー!マイキー」に使われているのも同社のマネキンらしい。
国内のマネキンメーカーは39社、そのうち、原型作家がいるのは12社しかないそうである。
もともと吉忠は京都の呉服屋だった。戦前、同じ京都のしまず製作所が人体模型の作成技術をベースにマネキンを作っていたのだが、戦争中は贅沢品と言うことで製造中止。戦後、その島津のマネキンを吉忠が売ったのが始まりと言うことだった。
その吉忠マネキンであるが、現在はマネキンの売上は全体の6.4%に過ぎず、ディスプレイなどの内装が52.4%と売上の過半数を叩き出している。吉忠がマネキンから店舗の内装業へとシフトしていったのは、1980年代以降の「ハウスマヌカン時代」を経験したから。マネキンの需要が大幅に減少し、それを挽回するために隣接事業であるディスプレイの内装を手がけるようになったと言うことだった。

吉田忠嗣社長本人が言っていた「マネキンを母として商空間、商環境を良くしていくことが我々の使命」というのが、吉忠のドメインをよく表しているな~。