未来世紀ジパング(2012/11/05放送分)

【世界に羽ばたく!ニッポンの技術6 食品ロボット】
オーストラリアで寿司ブーム。でも、しゃりはロボットが握っている。そのため、バイトでも寿司が作れるそうだ。そして、にぎりだけでなく、巻き寿司もブームが起こっていて、大学の構内で学生がお昼に巻き寿司を食べていた・・・ちょっとびっくりしたな。オセアニアの寿司店の人口比率は北米と同じということで、ブームのほどが分かるというもの。巻き寿司は片手で食べられることから「ハンド・ロール」とも呼ばれている。勿論巻かれている中身のネタは、エビフライやとんかつ、チーズ&キュウリなど、まさにグローカルだった。
番組でインタビューを受けていた日本人の寿司職人は「握り3年、巻き8年」と言っていた。それだけ修行を積まなければちゃんとした寿司は作れないのだが、ロボットを使えばあっという間にできる。
ということで、今週はそのにぎり寿司のしゃりを握ったり、巻き寿司を巻いたりするロボットを始め、日本産の各種食品ロボットの紹介。オーストラリアのメルボルンで食品の見本市が開かれていたが、そこに出品していたのが、巻き寿司を作るロボット。そのロボットを作っているのが、鈴茂器工という日本の中小企業。
巻き寿司ロボットは日本では具も一緒に巻くのだが、オーストラリアでは巻くネタが多くてうまく巻けない。そこで鈴茂器工ではしゃりのシートだけを作る仕様にしたところ大ヒット。この辺は中小企業のフット・ワークの良さが覗えるな~。
食品ロボットは、肉まんや春巻きを包んだり、チャーハンを炒めたり、鮭の切り分けをしたり、フランクフルトやおでんの具、焼き鳥などの串刺しをしたりするロボットなど多岐にわたる。
番組で紹介していたのは、以下の企業
大英技研:包む技術で世界一。デモではうまいこと春巻きを包んでいた。まるで風呂敷でものを包むような丁寧さだったけれど、1時間あたり1,800個包めるというからすごい。この春巻きを包む技術を応用して、インドのサモサ、メキシコのトルティーヤなどを包む機械として海外に輸出されており、引き合いが殺到しているそうだ。
コジマ技研工業:ここは、社長を入れて5人という本当の小規模企業だが、串刺しをする技術では世界一であった。焼き鳥を串刺ししていたが、串で縫うように具を波打たせて刺すことで職人技の串刺しができるということだった。これは、1,500個/時間刺せるという。また、デモでスイートコーンを刺していたが、あんな小さなものを10個程度串刺しにしていた・・・すごい。ここのグローカルは、タイからの注文でシュウマイを4個串にするというもの。これも試作を重ねてうまく対応していた。
日本の中小企業は、外国からヒドゥン・チャンピオン(隠れたチャンピオン)と呼ばれているそうだ。良い技術を持っているが、よく見えない。でも、ITの普及で状況が一変した。英語のHPを作って海外に発信することで、世界から引き合いが来る時代になりつつある。・・・と言っていたが、本当にHPだけで引き合いが来るのかは疑問。

最後に、大手機械メーカーも食品ロボットに参入していく話で、兵神装備というモーノポンプで高いシェアを誇る機械メーカーが登場していた。モーノポンプとはアルキメデスのスクリューのように脈動せずに軸の回転によって内容物を移送させる仕組みであり、粘性の小さな液体に対しては効率が悪いが、粘性の大きな液体を移送することができるポンプ。そこが、ポンプの技術を応用して人工イクラを作るロボットを試作していた。内側と外側の二重構造のノズルから液体をうまいこと吐出させると、内側から出た液体を外側が包んでイクラのような形になる。あれ、でもこの人工イクラ、どこかで見た気が・・・。どこだったかな?
それから、パラレルリンクロボット(のようなものだと思う)を使ってお菓子を振り分けしている装置も紹介されていた。パラレルリンクだから確かに高速に仕分けできているな・・・。これは安川電機だったな。

最初に紹介された鈴茂器工を含めて紹介された3社の中小企業はいずれも規模は小さいが、
・オンリーワンの技術を持っている
・顧客の要求に応じて柔軟に仕様を変更することができる
・研究開発に力を入れている
という共通点があった。今後中小企業が生き残って行くには、これらの要素が必要か・・・。

今回紹介されていた食品ロボットの多くは、(多分)シーケンサで動いているような気がするな。だから、前職のようなRTOSでソフトウェアによる制御はあまり関係ない・・・。こういうのは、RTOSで作らなくても十分なのだろうな~~。