オイコノミア(2012/11/07放送分)

「賃貸暮らしもいいけれど・・・!?」(前編)
賃貸か、持ち家かという話。ゲストは、安藤至大さん(日本大学大学院総合科学研究科准教授)。
解説としては以下のようなもの。
1.家から受ける効用は、新築時がいちばん高くてその後下がっていく。でも、賃貸であればいつでも条件の良い部屋に借り換えられることから、効用と時間の積(グラフの面積)は賃貸のほうが高くなる・・・という。
2.個人の資産運用という観点から、家を所有すると資産のバランスが悪くなる。・・・つまり、現金預金や株式などへのバランス良い投資ができない・・・という。
3.家を買って自分で住むと、他人に貸すという機会費用を失っているという。
こういう話になると賃貸を勧めているのかと勘ぐってしまうが・・・。

でも、何だか違和感がある解説なんだよね。反論としては以下の通り。
1.は条件の良い部屋のコストは家賃に反映されているはず。また持ち家でもリフォームなどを行うことは可能なので一概にグラフのようにはならない。また、家賃とローンの大小関係は具体的な数値で比較しないと何ともいえないのではないか!
2.も同じで、家賃あるいはローンの金額を具体的にしないと、残りの可処分所得の資産運用の話はできないのではないか!
3.も、実際に持ち家を所有していても、他人に貸し出して、自らは賃貸に住んでいる人もいることだし、機会費用の損失にはならないでしょ!
番組の展開の仕方としては、今回のような点よりも、実際に家賃とローンとで支払金額を比較し、ローン完済後の残存価値も含めてトータルで損得を話したほうがおもしろいと思う。それから、固定資産税とかの話への展開もできたのに。うーん、どうしてそうしなかったのだろう。つまり、正常な物件であれば、賃貸では家主が介在してその人への収入が発生していることを考えると、その分だけ店子は余計な支出をしていることになる。それは家主の不労所得になって・・・というように、話が持って行ければ良かったのでは?

後半はヘドニック・アプローチの話。ヘドニック・アプローチとは、住環境の価値を計測する手法として有名なもので、土地や建物などの価格と特性に関する大量の属性を、軽量統計学的手法を用いて算出するもの。でも、番組内での説明は非常に不十分だった。

今回の経済学的な話はあまり当を得ていない気がした。もっとちゃんと構成してほしいな。構成はディレクターがしているのかな?それともゲストの大学教授がしているのかな?いずれにしろ複数の人によるクロスチェックが望ましい・・・。
ということで、今回の内容はストレスがたまったな・・・。