カンブリア宮殿(2013/01/10放送分)

新春スペシャル~アジア大攻略2013 ここを奪わずして、世界は獲れない!と題して、東南アジアマーケットで成功している企業の紹介。
まずは、「VAPE」を提供しているフマキラー。インドネシアでシェアNo.1の蚊取り線香となっている。フマキラーがインドネシアに進出したのは20年以上前の1990年だが、それから1997年までは赤字を垂れ流していた。それをひっくり返したのは、インドネシアの蚊に対応した殺虫成分を開発する拠点の設置と、地方集落へのローラー作戦。地方集落に必ず1軒ある「ワルン」という個人営業の小さな店・・・日本でいうと駄菓子屋&コンビニのようなもの。集落の人々は日用品の大半をその店で買うそうだ。そこで、売り込むのだが、「ばら売り」「近隣の住居への試供品提供」という草の根営業を展開していた。地道だが、効果は絶大!。一度効果が分かれば、消費者は乗り換えないということで、シェアNo.1まで上り詰めたということだろう。
次は、ベビー用品を開発している「ピジョン」。国内で少子高齢化が進んでいるが、それでも売上高を伸ばし続け、今や591億円となっていた。特にほ乳瓶のシェアが7割くらいあり、それを中国の富裕層に向けて売っている。戦略としては中国国内各地域の拠点となる産婦人科に母乳育児相談室というような施設を設置して運営サポートを行い、そこで自社の製品に触れてもらおうというもの。そこでは母乳の大切さをアピールするポスターを掲載しているのだが、そこにもピジョンのロゴを入れているという。また、上海の有名劇団の公演もサポートして、そこで自社のブランドをアピールしている。中国では6(シックス)ポケットと呼ばれているように、子供のためにはたくさんお金を払う傾向があり、そういった優良顧客をがっちり押さえているなという印象だった。ただし、ピジョンは、プロモーションだけが優れているのではなく、あくまでも基本は製品に関する研究開発ということであった。ま、そうでなければ、最終的に消費者から選ばれないだろうけれど・・・。
そして最後は、楽天。ここについては皆知っていると思うけれど一応おさらいしておくと、楽天が他の通販サイトと違うのは、商品のみの出店ではなく、楽天市場という仮想の商店街を構成していること。WEBサイトの構築を含めて、自分の店舗としてアピールできる点である。その際に重要になってくるのは、個別に作成されたWEBサイトのフォローである。楽天ではコンサルタントが中心となって、WEBサイトの改善からプロモーション戦略に至るまでさまざまなアドバイスを実施している。それこそが、楽天の強みというわけ。
今回の番組は、アジアには可能性がある・・・ということ。そこから先は個別の国々の事情に合わせた戦略が必要・・・だった。でも、この程度だったら、レギュラーの番組とあまり変わらない・・・。フマキラーとピジョンと楽天の3社の紹介をくっつけただけという感じは否めなかった。