平成31年度当初予算「ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金」の公募が開始されています。

令和が始まっていますが、予算名が平成31年度の当初予算に計上されていた「ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金」の公募が開始されました。

これも、ものづくり補助金となります。

福岡県の実施団体である福岡県中小企業団体中央会の該当ページはこちらです。

平成30年度補正のものづくり補助金が動いていますが、これとどう違うのかを説明していきたいと思います。


公募期間、事業期間

公募期間

公募開始:2019年 4月23日(火)
公募締切:2019年 6月24日(月)、当日消印有効

電子申請の場合は
システム稼働:2019年 6月中旬(予定)
公募締切:2019年 6月25日(火)15時

公募期間が2ヶ月あります。平成30年度補正のものづくり補助金の公募期間よりも長くなっています。これは、対象事業者の要件が平成30年度補正のものづくり補助金よりも厳しいためです。中小企業・小規模事業者が複数(2者~10者)で連携して取り組む事業計画としなければならないからです。つまり、それだけ計画策定に時間がかかることを想定しているためだと思います。

事業期間

公募要領には8月中旬を目処に採択発表とあり、それから交付申請することになると交付決定(事業開始)時期は9月以降となると思われます。
また、同じく公募要領によると、事業終了は2020年01月30日(金)までとなっています。

したがって、長くとも5ヶ月の事業期間しかないことになります。さらに、事業の報告書提出期限も事業終了と同じ日(2020年 1月30日(金))となっています。


補助対象者

公募要領によると、平成31年度ものづくり補助金の対象事業は前述の通り、中小企業・小規模事業者が複数(2者~10者)で連携して取り組む、生産性向上や地域経済への波及効果拡大に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものとなっています。つまり、1者では応募できません。

中小企業・小規模事業者の条件は従前の通りです。特定非営利法人も対象となっています。


補助対象事業及び補助額、補助率等

1者当たりの上限が2,000万円となっています。平成30年度補正のものづくり補助金が最高1,000万円です。平成28年度補正のものづくり補助金までは3,000万円までの枠がありましたが、平成29年度補正のものづくり補助金からは上限が1,000万円となっていました。これが今回の平成31年度ものづくり補助金では2,000万円です。

企業間データ活用型

項 目 要 件
(1)概要 複数の中小企業者等が、事業者間でデータ・情報を活用(共有・共用)し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援します。
(例)複数の事業者がデータ等を共有・活用して、受発注、生産管理等を行って、連携体が共同して新たな製品を製造したり、地域を越えた柔軟な供給網の確立等により、連携体が共同して新たなサービス提供を行う取組みなど。
(2)補助金額 100万円~2,000万円/者
・連携体は幹事企業を含めて2~10者まで。1者あたり200万円が追加され、連携体参加者数を乗じて算出した額を上限に連携体内で配分可能。
・事業遂行に必要な専門家の活用がある場合は、補助上限額に各者30万円の増額が可能。
(3)補助率 1/2以内
・生産性向上特別措置法(平成30年法律第25号)に基づき、平成31年3月31日までに固定資産税の特例率をゼロとする措置をした市区町村において、補助事業を実施する事業者が「先端設備等導入計画」の認定を平成30年12月21日の閣議決定後に新たに申請し、認定を受けた場合(変更申請の場合は新規の設備等導入を伴う計画であること)の補助率は2/3以内。
・3~5年で、「付加価値額」年率3%、「経常利益」年率1%、および「従業員一人当たりの付加価値額(=労働生産性)」年率3%以上向上する中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画を、平成30年12月21日の閣議決定後に新たに申請し承認を受けた場合(計画変更は不可)の補助率は2/3以内。
(4)設備投資 必要
(5)補助対象経費 機械装置費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド利用費
(6)その他 連携体内に特定非営利活動法人が含まれる場合は、上記に加えて次の要件を満たすこととします。
①連携体の半数以上が中小企業者によって構成され、全体の補助金総額の2/3以上は中小企業者に充てること。
②特定非営利活動法人に対する補助金額が、連携体を構成する法人の中の最高額とならないこと。

 
地域経済牽引型

項 目 要 件
(1)概要 複数の中小企業者等が、地域未来投資促進法に基づく「地域経済牽引事業計画」を共同して作成し、その承認を受けて連携して事業を行い、地域の特性を生かして、高い付加価値を創出し、地域経済への波及効果をもたらすプロジェクト等を支援します。
(例)地域の複数の事業者が連携して、大企業からの受注に対応する共同受注体制を整備したり、試作から量産まで対応可能なワンストップサービスを提供する取組みなど。
(2)補助金額 100万円~1,000万円/者
・連携体は幹事企業を含めて2~10者まで。
・事業遂行に必要な専門家の活用がある場合は、補助上限額に各者30万円の増額が可能。
(3)補助率 1/2以内
「従業員一人当たりの付加価値額(=労働生産性)」年率3%以上向上する地域未来投資促進法に基づく「地域経済牽引事業計画」を、平成30年12月21日の閣議決定後に申請(変更の申請を含む。)し承認を受けた場合(計画変更も可)の補助率は2/3以内。
(4)設備投資 必要
(5)補助対象経費 機械装置費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド利用費
(6)その他 連携体内に特定非営利活動法人が含まれる場合は、上記に加えて次の要件を満たすこととします。
①連携体の半数以上が中小企業者によって構成され、全体の補助金総額の2/3以上は中小企業者に充てること。
②特定非営利活動法人に対する補助金額が、連携体を構成する法人の中の最高額とならないこと。

上限2,000万円と言うことで高額な設備投資をしようとする事業者が連携体を組織して申請するのではないでしょうか。


2/3要件、加点項目、補助対象経費などについて

2/3要件、加点項目については、平成30年度補正ものづくり補助金と同等です。
また、補助対象経費についても平成30年度補正ものづくり補助金の一般型と同等です(本補助金には小規模型に対応するものはありません)。
さらに、平成30年度補正のものづくり補助金ではPOファイナンスへの対応が開始されています(詳しくはこちら)が、平成31年度ものづくり補助金では(現時点では)予定となっています。
なお、事業実施場所の変更が原則認められていないのは、平成30年度補正のものづくり補助金と同一です。その実施場所を応募時点ですでに有していなければいけません。ここで言う有しているとはすでに工場として稼働している、あるいはそれに近い状態であることです。土地を有している(更地のまま、工場が建設中)では対象になりません。


事務局について

本補助金は平成30年度補正のものづくり補助金とは別の事務局で運営されます。従って、福岡県の平成30年度補正ものづくり補助金事務局である「ものづくり企業サポートセンター」では問合せを受け付けていません。
本補助金は応募件数も少ないと思われることから、各地域ブロックで事務局が編成されます。沖縄県を除く九州圏内の担当は九州ブロック地域事務局となり、福岡県中小企業団体中央会が問い合わせに対応しています(5月1日現在の状況です。今後新たに事務局、センター等が開設される可能性があります。詳細は福岡県中小企業団体中央会のサイトをご覧下さい)。


重複応募について

今回の平成31年度ものづくり補助金は、平成31年度の当初予算で運営されるものであり、平成30年度二次補正のものづくり補助金とは別予算となります。従って、平成30年度補正のものづくり補助金との重複応募が可能になります。もちろん同一の機械装置を複数の補助金の補助を受けて購入する事はできませんが、一連の事業の一部を平成30年度補正ものづくり補助金と平成31年度ものづくり補助金で合わせて申請することが可能になります。