ものづくり補助金2次公募へ向けての展望など
先日、平成30年度補正予算ものづくり補助金の採択が発表されたばかりですが、すでにあちこちで2次公募が囁かれています。
実は今回は公募要領に「複数の公募を予定している」と明記してあるため、2次公募があると思っている方は多いと思っています。
「予定」はあくまで予定であって、確実に行うわけではないのですが・・・。
しかしながら、ここまで2次公募が囁かれている状況を見て、実際にどのくらいの規模で行われる可能性があるかを検証してみましょう。
今年度のものづくり補助金の予算
経済産業省が発表している平成30年度2次補正予算の中でのものづくり補助金は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 1,100億円」に含まれます。
この「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」は、「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」を含んだ予算です。
実際のものづくり補助金の予算は800億円であり、平成29年度補正予算の1,000億円から200億円少なくなっています。
この800億円から今回の1次公募でどのくらいの予算が消化されるかをシミュレーションしてみます。
以下のデータは日刊工業新聞のデータであり一次資料ではありませんのでご了承下さい。
今回の採択者14,927者のうち、一般型(上限1,000万円)の採択者数が5,849者、小規模型(上限500万円)の採択者数が1,619者となっています。それぞれの事業者が上限の補助額を消費したとすると、一般型は58,490百万円、小規模型は8,095百万円で合計66,585百万円を消費したことになります。
類型 | 一般型 | 小規模型 |
応募者数 | 11,515 | 3,412 |
応募者割合(n=14,927) | 77.14% | 22.86% |
採択者数 | 5,849 | 1,619 |
採択率 | 50.79% | 47.45% |
予算(それぞれ上限)(円) | 58,490,000,000 | 8,095,000,000 |
※出典は日刊工業新聞2019年6月28日版です。
予算の消費状況
予算と消費状況ですが、予算が80,000百万円で一次公募で66,585百万円消費していますので、予算残は13,415百万円となっています。予算の消費率から言うと今回の予算の83.23%はすでに消費しており、残りは16.77%ということになります。実際は事務局やコンピュータシステム等の運用経費も必要ですので、事業者に割り当てられる予算の残りはもっと少ないということになります。
予算 | 実績 | 予算残 |
80,000,000,000 | 66,585,000,000 | 13,415,000,000 |
100.00% | 83.23% | 16.77% |
ものづくり補助金2次公募の規模(予測)
※以下は福岡県の採択者数など一次公募の結果を元にした予測であるのでご了承下さい。
ということで、予算の残は130億円程度となります。これを1次公募の事業者の割合で割ると、2次公募の規模(予測)、つまり採択予測数は全国で1,505者、福岡県では46者となります。
全国 | 福岡県 | |
採択者数 | 7,468 | 230 |
採択割合(n=7,468) | 100.00% | 3.08% |
採択割合からの予算割当 | 13,415,000,000 | 413,182,000 |
採択割合からの2次採択者数(予測) | 1,505 | 46 |
ということで、規模としてはかなり小さくなる見込みです。