カニバリゼーション

米シャトル、アトランティスが08年退役し部品確保へ

 【ワシントン=笹沢教一】米航空宇宙局(NASA)当局者は、現行のスペースシャトル3機のうち、アトランティスを一足早く2008年に退役させ、残り2機の部品を確保する目的などに活用する方針を明かした。

 アトランティスは08年9月に長期の機体改修が予定されていた。仮に改修を行っても、復帰してすぐにシャトル計画が終わる10年を迎えることになるため、改修による延命でなく、退役を選択したという。

 NASAは、国際宇宙ステーションの建設に必要なシャトル飛行回数について、これまで打ち出していた18回から16回にまで減らす可能性を明らかにしている。3機はそれぞれ5回程度の飛行を行う予定。16回以下に飛行回数が減った場合、日本の実験棟「きぼう」の3回の打ち上げのうち、最初に予定される「船内保管室」を削減する案がすでに検討されており、一連の前倒し退役の余波が日本側にも及ぶ恐れがある。

(読売新聞) – 2月20日10時22分更新

 部品取りのために保有する機体の何割かを用途廃止にすることはよくあります。アメリカが革命前のイランに売ったF-14なども、当然部品供給が受けられないので、部品取りをしながら運用可能な機体を確保しているのではと思います。(そういっても稼働できるのはほんとにわずかな機数でしょうが。)そういえば、今映画化されている機動戦士Zガンダムでも、ガンダムMk2を3機奪取するという話がありますが、その後2機は部品取りに使って、1機のみ稼働させるということをしていました。このような運用方法をカニバリゼーションと言います。カニバリゼーションとは「共食い」という意味です。

 カニバリゼーションは、軍事関連の言葉だけではなく、マーケティングでも使われています。例えば、ある売れ筋商品があったとして、さらに売上を伸ばすために似通った商品を開発して市場に投入したとき、市場そのものは拡大せずに既存顧客が新商品にながれてしまうことがあります。このようなことをカニバリゼーションと呼びます。意味を考えれば当然ですよね。

2006年2月20日 | カテゴリー : 飛行機 | 投稿者 : assak