オイコノミア

NHKのEテレで放映されていた経済バラエティ番組です。社会で起きるの様々なことを経済学の知見を生かして面白く解説していきます。
出演は又吉直樹さん、解説は主に国内の様々な大学の研究者の方、ナレーターは朴璐美さんです。

オイコノミアのレビュー記事

オイコノミア「みんな満足!分け前のルール」(2017/10/11放送)

最近の新型コロナウイルス感染症に関して思い出したことがあったので・・・。

3月の後半から新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化する事業者が出始めました。
某市の経営相談窓口は、金融関連の保証の手続きを申請に来られる事業者が殺到しています。そのため、我々中小企業診断士も増援で臨時に窓口対応するように依頼がありました。1日当たり最大15人程度まで増やした時期もありました。

増援依頼があった人は過去に相談窓口を担当した経歴がある人が中心でした。スケジューリングは1ヶ月単位で本部が決定します。まず本部が対象者に対して対応可能な日を打診します。連絡があった診断士は対応可能な日を返送します。その希望を元に窓口の1日当たりの定員に合わせて本部が担当を割り振ります。
調整されて決定した割当表を見ると、他の診断士がどれだけ希望してどのくらい割り当てられたのかが分かります。多い人は平日ほとんど希望していました。私は週に1回くらいの割合で希望していました。

そしてその結果割り当てられた数は・・・。

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オイコノミア「経済学は“自由”を目指す」(2018/2/28放送)

 久しぶりの投稿は、先日放送された「オイコノミア」のレビューです。オイコノミアは毎回視聴しています。経済学が大好きな私にとっては、内容は毎回大変興味深いものです。が、なかなか記事にする暇が無くて無沙汰をしています。

 今回はテーマが「自由」ということとゲストが「中村文則」さんだったことから、久しぶりに記事を書いています。

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オイコノミア「~多数決 だけじゃ ない!決め方の 経済学~」(2017/5/3放送)

 NHKのEテレで放映されている経済バラエティ番組「オイコノミア」は先日紹介した行動経済学の話もあるので、ずっと興味を持っています。行動経済学の権威である大竹文雄教授もよく出演しています。

 しばらく前まで(といっても過去の記事から3年くらいは経ちましたが)はこのブログでも頻繁にオイコノミアの放送内容を元にした記事を書いていたのですが、多忙のため最近ご無沙汰になってしまっていました。過去に記事を書いていた頃は又吉さんが芥川賞を受賞するなんて思ってもいなかったので、ちょっとびっくりしながらこの記事を書いています。

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オイコノミア「お金でわかる貴方の性格!?」(前編)(2013/04/16放送分)

お台場の日本科学未来館で行われている、企画展「波瀾万丈!おかね道―あなたをうつし出す10の実験」を又吉さんと大竹教授とが訪れて、お金の使い方をベースとして行動経済学の話。
ひさびさの投稿だが、その間、番組を見ていなかったわけではなくて、面白いと思うネタではなかったので、割愛していただけです・・・。
まずは、未来ATMで、「見知らぬ人と\1,000を分け合う問題」のはなし。これは、相手が自由に割合を決めることができ、貴方がそれに合意すれば、二人ともお金をもらうことができ、同意しなければ、二人ともお金をもらえないもの。これは、行動経済学の教科書には必ず出てくる実験で、合理的に考えれば、相手のどんな提案でも受け入れるはずである。しかし、人間は不合理な生き物で、その通りにはならないというもの。又吉さんは、当然のごとく「相手\900、自分\100」という相手側が出してきた提案を拒否。二人とももらえないという結論に。
次は、宝くじの番号に関して、ぞろ目の番号のくじと、数字がランダムなくじのどちらを選択するか、そして、次に、1/10,000の宝くじ1枚と、1/100,000の宝くじ5枚のどちらを購入するかというクイズ。又吉さんは、最初の問題は、揃っていない方を選んでしまい、次は1/100,000の宝くじ5枚を購入する方を選んでしまっていた。番号が揃っていようがいまいが当選確率は同じなのだし、1/10,000のくじ1枚のほうが期待値は高いのに・・・。ということで、これはヒューリスティクスという、行動経済学の重要な考え方に関するもの。
さらに、「A:1年後の\1,000と、B:1年と1週間後の\1,400」のどちらを選ぶか、そして「A:今日の\1,000と、B:1週間後の\1,400」のどちらを選ぶか?という問題で、又吉さんは現在志向バイアスが強い選択を行っていた。つまり、「B:1年と1週間後の\1,400」「A:今日の\1,000」を選択していた。
また、損失回避バイアスの問題として「A:50%の確率で\20,000を得るか50%の確率で何も得られないか、B:確実に\10,000を得るか?」「A:50%の確率で\20,000を失うか50%の確率で何も失わないか、B:確実に\10,000を失うか?」というものが出ていた。これも、又吉さんは「B、A」を選んでいた。
って、これらは行動経済学の実験のおさらいだったのだが、又吉さんは、今回は多数の人が選択する傾向と同じ傾向を示していた。
最後は、又吉さんと大竹教授との対談で、ナッジの話。ナッジとは軽く一押しするというもの。よく使われるのは、アンケートの回答などを選択する際にデフォルトをどちらにするかで、アンケート結果が変わってしまうというもの。これは、悪用するととんでもない手法なのだが・・・。
ということで、行動経済学満載のオイコノミアだったが、私はそれよりも、日本科学未来館の企画展を見に行きたくなった~~!。

オイコノミア「幸せになりたい…」(2013/02/19放送分)

「幸せになりたい・・・」(前編)と題して、幸福と経済学の話の前編。
まずは、幸福度の話。「幸福度のパラドックス」として、一人あたりの実質GDPの上昇に対して幸福度が上昇していないことを指摘。次に、性別・年齢別の幸福度の話で、40代~50代の男性がいちばん幸福度が低い。また、年収別の幸福度としては、年収が増加すると幸福度は上昇するが、1,000万円前後と2,000万円手前で幸福度が少し下がる。さらに都道府県別幸福度の話が出てきた。しかし、これらの話に関して他のデータとの相関性に具体性がなく、なんだかなぁという感じ。
そして、所得に関しては、「相対所得仮説」の話に言及。これは人が他人と比較して幸福を感じていると言うことで、他人より待遇が高ければ幸福を感じ、低ければ幸福を感じないというもの。
今の日本では20代の若者の幸福度が、「失業率が高止まりしているにもかかわらず」低くなっていないということも、相対所得仮説から説明が付く。
ということで、最近の研究では人間は絶対的な幸福は感じにくく、他人との比較や、自分の過去との比較によって幸福度を感じると言うこと。だから、幸福を持続させるためには、常に新しい発見やチャレンジを行っていることが重要だ。
幸福の研究というのは続いているのだが、なかなか掴み所の無い物で、定量的に図ることができない。でも、経済活動においては幸福度というのは消費などに影響を及ぼす重要な因子であり、多方面からのアプローチが続いていると言うこと。
次回は後編だが、このテーマに関して結論が出るのかちょっと不安・・・。