マネーの羅針盤(2012/11/03放送分)

米国大統領選挙まで秒読み。そこで、今回の大統領選から採用された「スーパーPAC」に関して。
今回の大統領選挙では両陣営合わせて1,600億円もの献金があって、これは史上最高である。こんなに金額が膨らんだのはスーパーPACのおかげ(せい)と言われている。スーパーPACとは独立支援団体のことで、これらが集める選挙資金に上限を求めないというのが、先日最高裁が判例を出した。ちなみに、個人の献金額は5,000ドルが上限で、これは変わらず。と言うわけで、各候補を独立して支援する団体の元に巨額の金が集まった。で、スーパーPACは膨大な資金を何に使うかというと、相手陣営に対するネガティブ・キャンペーンに使っている。特にTVなどのCMであるが、金を使っているだけあって、おもしろいものがたくさん登場した。番組で紹介されたのを見たが、両陣営ともえげつないCMを作るな~という感じ。度を過ぎている感じがするな。もっとも、独立支援団体だからオフィシャルなものではないのだけれど・・・。実際、今はYouTubeなどで、今回の番組で紹介されていない、それらのCMも見ることができる。
で、結果が気になるところではあるが、オバマ氏有利と言われているが、その差はわずかで予断を許さない。選挙人の数が269:269で引き分けになる可能性も取りざたされている。その際は、米国議会の下院が大統領、上院が副大統領を選ぶ。ご存じの通り下院は共和党が優位だからロムニー氏、でも上院は民主党なんだよね。ねじれ国会・・・、ここもか~~。

気になった言葉:ファクト・チェック
 米国ではインターネット上にジャーナリストが集まって、大統領が発言した言葉が本当に正しいのかを検証しているそうだ。ディベートの中に出てくる数字は、誇張や勘違いを含め、事実でないものもある。それを検証しているそうで、ジャーナリストとして正しい仕組みだなと思った。日本でもジャーナリストがちゃんと検討すれば、iPS関連で森口尚史氏の誤報もなかっただろうに。あれは、せっかくのお祝いムードに泥を塗るような報道だった。

日経平均は118円の上昇で再び9,000円を回復している。米国では、金曜日に雇用統計が発表され、「非農業部門雇用者数が171,000人」と市場予測120,000万人を大幅に上回った。しかしながら、大統領選挙を控えて模様眺めの雰囲気となり、NYダウは13,093.16ドルと▲139.46ドルとなった。同様にナスダックやS&P500指数も下げている。
雇用統計の結果はオバマ陣営にとっては追い風だが、オバマ政権下では失業率が高い水準を維持したままであることもまた事実ということ。
ハリケーン・サンディに寄る被害額は200億ドルにも及ぶという話だが、NYでは明日開催予定のNYシティー・マラソンが中止となった。海外から20,000人の市民ランナーも参加する予定であり、イベント全体で3億4,000万ドルの経済効果がフイになったと言うことである。

あ、忘れていたけれど、「財政の崖」の話も少し出てきた。これは、米国で今年末から来年にかけて多くの補助金などが期限切れを迎え、実質的な大幅増税になってしまうということ。財政的にはありがたいが、市場は冷え切ってしまうことが予想され、何かの手当が必要ではないかと言うことになっている。米国新大統領の最初の課題である。