ダウンバースト/マイクロバースト

 JR東日本羽越線の列車事故は残念でしたが、その事故の原因の一つとして浮上してきたのが、ダウンバースト/マイクロバーストです。

 ダウンバーストとマイクロバーストは構造的には同じもので、規模が大きいもの(4km以上)がマクロバースト、それ以下のものをマイクロバーストといいます。それらを総称してダウンバーストというのです。

 ダウンバーストの発生メカニズムに関して詳細は専門家※に譲りますが、簡単に言うと次のようになります。

 ※ 私は大学時代に「航空気象学」をせいぜい1単位取ったくらいの知識しかありません(^_^;)。でも、講義はおもしろかったですよ。

  1. 積雲や積乱雲の上昇気流によって高く上昇した空気中の水分が氷結して雪や雹になる。
  2. 上昇気流が大きいと、大きな雹が発生し、それは自らの重みで落下する。
  3. 周囲の空気はそれに引きずられるように同時に下降する。
  4. または、気温が高い場合は雪や雹が再び溶けるときに周囲の空気から融解熱を奪い、冷やされた空気は急激に下降する。

 ということこで、今回は雪雲の積乱雲が著しく成長したために起こった現象ではないかと言うことです。

 航空機がダウンバーストに遭遇すると、翼の揚力が急激に失われて、高度を大幅に失ってしまいます。特に空港周辺で発生するダウンバーストは離着陸中の航空機に重大な影響を与えます。米国では、ダウンバーストが原因と思われる事故で離着陸中の航空機が墜落した事故が何度か報告されています。

 ダウンバーストは狭い範囲で急に発生するので予測するのが困難です。だから、空港ではドップラーレーダーなどを使って警戒をしています。

 というわけで、今回の列車事故では、航空気象学の専門家も派遣されるそうです。

 つまり、航空機だけでなく地上を走行している列車や自動車などもダウンバーストの影響を受けることがあるということです。

 どういう調査報告がなされるのか、興味があるところです。そして、その調査報告が、鉄道の路線や高速道路の(周囲の環境に合わせた)構造に生かされ、このような事故が二度と起きないように願っています。

ダウンバースト/マイクロバースト」への2件のフィードバック

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