カタカナ語と日本語と

 国立国語研究所がカタカナ語の言い換え提案の第3回中間報告を発表しました。
 サイトを覗いてみると分かりますが、結構興味深いです。
 アカウンタビリティ = 説明責任
 ロードプライシング = 通行課金
などは、日本語にしても違和感がない部類です。というか、日本語のほうが分かりやすいですね。
 デジタル・デバイド = 情報格差
 でも、現代社会の問題としてあげられているデジタル・デバイドは、意味が違うような・・・。現代社会の問題としてのデジタル・デバイドは、コンピューターを扱える人と扱えない人との間に生じるさまざまな格差の事を指しています。つまり、情報の取得能力の格差、仕事先の格差(つまり、コンピューターを扱える人はより高い付加価値の仕事に就くことができるが、扱えない人は単純な仕事にしか就けない。)、そしてそれが賃金の格差となり、生活水準の格差となっていくと言うことを意味しています。だから、情報格差という言葉にすると、字面どおりの単なる情報の格差としてしか伝わらないような気がします。
 イニシアティブ = 主導、発議
そういえば、昔、アメリカの故レーガン大統領が「SDI(Strategic Defense Initiative)」という構想を持ち上げていました。日本では、「戦略防衛構想」と訳されていました。私は、イニシアティブ = 構想 という訳がどうしても納得行かなかったのを思い出します。この場合は、「率先して~する」という意味です。そういった意味では、「発議」もいいかも。
 そのほかにも、「ハザード・マップ」、「ブレーク・スルー」、「ソリューション」などを日本語に言い換えたものが載っています。
 この言い換え提案ですが、第2回の時は、
 オンライン = 回線接続
 データベース = 情報集積体
 フォーラム = 公開討論会
 メセナ = 文化支援
などの言い換えを提案していましたが、却ってわかりにくくなるとの批判が続出したらしいです。確かに、「情報集積体」はないでしょ。
 でも、コンピューターを知らない人には、「データベース」という言葉はわからないというのも事実です。まさに、デジタル・デバイドです。(^_^;)