東京タワーとジャンボ機がニア・ミス?

 この一件、ニュース解説を見ていると、ビジュアル・アプローチ(目視進入)で空港を左手に見ながら東京湾上を北進してサークリングによりRWY16に着陸しようとしたオリエント・タイ航空のB-747がトラフィック・パターン(場周経路)を大きく逸脱して新橋から東京タワー付近まで行ってしまったようです。
 なんでも、東京タワー付近を通過したときの航空機の高度は540mだったとか。東京タワーとの高度差が200mしかなかった!ことが大きく取り上げられています。よりインパクトのある表現を好むとは、いかにもマスコミ風です。
 VMC(Visual Metrological Condition:有視界気象状態)の状況で、いったんビジュアル・アプローチになった場合、管制側は航空機の位置通報に基づいて次の指示を出すわけですから、管制側に非はないらしいです。
 でも、東京のように夜間、空港の周囲が明るいと空港を見失ったり見誤ったりすることは十分に考えられます。そして、航空機が空港を見失った、或いは誤認した場合、万一墜落事故に発展するとその損害は甚大になります。
 というわけで、「ビジュアル・アプローチだから、管制側に非はない」という簡単な論法ではなくて、もっと安全に配慮したルールづくりが必要なのではと思いました。
 翻って私の近所の空港も典型的な都市型の空港です。離着陸時に事故が発生すれば、市街地に墜落する可能性は大きく、その損害は甚大となるでしょう。
 他人事ではありません。でも、私は毎日、200m以下の高度で着陸のため最終進入する航空機の腹を見ながら通勤しているので、「200mなんてまだ遠い。」という感じがしてくるから怖いですね。

2004年10月19日 | カテゴリー : ニュース | 投稿者 : assak