寡占市場における最適な企業数

 寡占市場においても、せめて3社くらいあれば、3社間での競争(独占的競争)が行われるのではないかというのが、私の私見です。

 ビール業界におけるキリン、アサヒ、サントリーは好例かな。航空業界では、JAL、ANA、JASと3社があったのですが、そのうち2社が合併してしまって2社になってしまいました。しかしながら、私がよく使う「福岡~東京」便では、スカイマークががんばってくれているので、3社といえないこともない。もし、スカイマークがなければ、われわれはもっと高い航空運賃を払わなければならない羽目になる、と考えるとスカイマークをおろそかにはできません。

 航空機産業で言えば、こと民間機部門においては米国のボーイング社が一人勝ちです。アンチテーゼとしてのヨーロッパ・エアバス社は苦戦を強いられています。実は、つい最近までエアバスは絶好調だったのですが、A380の開発が大幅に遅れたことによる業績の悪化が著しいです。航空機ファンの私としては、空港で見る旅客機がみなボーイングでは面白くないので、ぜひエアバス社にもがんばってほしいのですが。そして、ボーイング、エアバスに次ぐ第3の旅客機メーカーが立ち上がってくれることを祈っています。でも、開発にかかる予算と需要との関係で、世界市場で3社目を立ち上げるのは難しいかもしれない。

 パソコンソフトに関しては、OS部門、オフィスソフト部門におけるマイクロソフトの台頭が著しい。ほかのメーカーは何とかしないのかね。

 逆に、寡占化(業界再編成といったりします)が進まず開発部門(技術者)が各社に分散してしまって競争力が低下しているのが家電業界。東洋経済によると日本には9社あるそうで、それらに技術者が分散して開発しているから、国際的な開発競争に対して立ち遅れが目立つそうです。

 開発コストと市場の大きさに応じた(寡占市場の)最適な企業数が存在するとは思いますが、家電はともかく、航空機産業とパソコンソフトに関しては、もう少しほかの企業にもがんばってほしいと思います。