オイコノミア「保険って結局トクですか?(後編)」

この番組は経済学の話だと思ったが、通して見ていると行動経済学の話も多いな。両者を区別せずにこだわり無く進行しているみたいだ。
今回は前回に引き続き保険の話である。
最初、又吉さんが「アレのパラドックス」に引っかからなかったのは笑った。これは、事前の打ち合わせによるものか?それともネタなのか?でも、アレのパラドックスに関しては昔から気になっていたが、「2回目の試行」は期待値が違いすぎる。これだと比較にならないよ。皆、期待値の高い方を選択するだろう。これは、「期待値が高くてもリスクがあればヒトはその選択を回避し、多少のリスクの差があってもそれがともに0でなければ、ヒトは期待値の高い方を選択する」ということなのだが、オリジナルの実験の期待値が違いすぎておもしろくない。もう少し期待値を近づけた方が良いのではと思うが・・・これはオリジナルの問題なので後から確率を変えることはできないのだが。
それから、損失回避の話。コインの表と裏の話は分かりにくかった。このあたりは番組製作スタッフが、あらかじめ出演者の大学教授と話し合って工夫してくれた方が良かったのでは?それから、又吉さんのリアクションも微妙だった。視聴者にわかりやすく解説するのが目的なのだから、それなりに会話も工夫してほしい。
最後は、地震保険など、大数の法則が成り立たない話。地震保険などに関しては、政府が補助しているということと、再保険という仕組みがあること、そして英国の保険組合であるロイズが損害保険の仕組みを作ったり、再保険を取り扱っていることなどの説明があった。ここはオーソドックスな話に終始していたな。
保険は経済学の一分野ではあるが、保険学という学問も確立されいるほど守備範囲が広い。さらに行動経済学(行動心理学)など関連分野も多い。ということで、2回に分けても説明し切れていない部分は多かったが、それなりにおもしろかった。