今回は「オークションに勝つ!」(後編)ということで、より深いオークションの話。
最初は花きの卸売市場を紹介。これ初めて見たけれど、すごくおもしろい。スピードメーターみたいなのが競りの価格で、そのバーが下がっていく間に値段を決めるというものだが、本当にあっという間に価格が決まっていく。実際は、卸売業者はPCの画面を見ながら値段を決めるようだ。そして、落札業者が決まったらそのままベルトコンベアで流れていくようで、多分業者ごとにコンベアの行き先が決まっているのだろう。多分ここまで全てシステム化されていると見受けられる。多くの商品を短時間でさばいていくために導入されたのだと思うが、とても効率的に行われていると感じた。
次に、オークションのメリットについておさらい。売る側にとってのオークションのメリットは、売ろうとする商品の市場価値を調べるコストをかけなくて良いことだ。そして、又吉さんが実際にオークションで私物を売る実験。出品から発送まで代行してくれる業者の存在は知っていたが、初めて見た。意外とちゃんとしたところだな。発送する手間は結構あるので、便利かな。地元にはないのだろうか?今度調べてみよっと。
そして今週の目玉である「勝者の呪い」の話。これは、対象の商品の経済的価値が、落札価格を下回ることを指す。勝者の呪いはあくまで対象の商品の経済価値に注目した場合である。番組の例では1950年代の米国内における油田採掘権のオークションが紹介されていた。油田の埋蔵量は推定でしかない。そのとき、いちばん楽観的な推定をした者がオークションで落札することになる。すると、平均的には、石油採掘による便益が投資額(落札価格+設備投資など)を下回ることが多くなったことで、そう呼ばれるようになった。
しか~~し、番組の説明と、勝者の呪いを実践するためのゲームは分かりにくかった。番組では、「共通価値は入札価格の平均でそれより高く落札した分だけが呪われる」という説明だった。油田の話でいうと「オークションで入札した価格の平均値が共通価値」ということだが、実際はそうではなくて、「油田の共通価値は、事前には分からない」、つまり掘ってみなければ分からない(例え事前に入念な調査をしたとしても)ということである。つまり「共通価値は商品の一般的な経済価値そのもの」だけれども、そこら辺の説明が曖昧だった。私が番組中における解説の意図を取り違えたのか?今回の目玉だけに、もっと丁寧に解説してほしいなと思った。ちなみに共通価値と対比して言われるのが私的価値である。その商品に対する特別な思い入れだとか、嗜好がある場合、その個人にとってその商品は私的価値があるという。私的価値をベースに落札した場合は、勝者の呪いは発生しない。
結びとしては、オークションは公平で自由な市場取引を実現するための手段の一つで、そのための制度設計を経済学者などが進めていると言うことだった。米国で実施されている、電波の周波数帯域の割り当てをオークションで決めるシステムもその一つだと言うことだ。電波の周波数帯などはまさに限りのある資源で、そういう有限な資源が公平に分配されるということは、経済学の本来の目的に合致しているなと感じた。
2012年6月7日のアーカイブ
ガイアの夜明け(2012/06/05放送分)
サブタイトルは【”頭打ち市場”を突き抜ける!~老舗企業・・・大逆転の秘密~】
ということで、前半は森下仁丹、後半はマルコメの話である。
前半の森下仁丹に関しては、仁丹の製造技術を活かして全く別の製品を製造するというもの。ところで、最初の解説の中に、森下仁丹の売上高は最高で37億円あったのだが、現在は3億円とあったが・・・って、売り上げが10分の1って危機的じゃん。こんなになるまで手をこまねいていたのということにまず驚くな~。誰も手は打たなかったの?。実はコーポレート・ガバナンスに問題あるとか、老舗企業だけに過去の成功体験にとらわれていたとか、なのかな(この辺は説明はなかったけれど)。そしてやっと社外に人材を求めて社長を招聘したけれど、判断遅くない?
で、森下仁丹があの丸い粒(カプセル)を作るのには独特の製造技術があって特許取得済みなのだそうだ。それを応用して、メグミルクとの共同開発で、ビフィズス菌を中に閉じ込めたカプセルを開発して、カプセル入りヨーグルトとして売り出した。このヨーグルトは知っていたが、あのカプセルが森下仁丹によって作られたものだとは知らなかったな。森下仁丹のカプセルは胃酸では溶けずに腸で溶けるようになっていて、ビフィズス菌が胃酸で死なずに直接腸まで届けられるので、効率よく摂取できるというもの。
森下仁丹のカプセル技術は、世界中で150社、1,000もの製品に応用されているそうで、技術が高く評価されていることがうかがえた。カプセル技術を研究する新しい研究施設を建設するなど、この技術に賭ける意気込みはすごい。その施設では、食用だけでなく、シロアリの擬似卵(毒入り)カプセルの開発も進んでいた。シロアリが、この擬似卵を巣に持って帰り、そこで毒が蔓延してシロアリを全滅させるものだ。トロイの木馬のような、えぐいカプセルだな!さらに都市鉱山からレアメタルを回収するためレアメタルをえさにする微生物(バクテリア?)を封入するカプセルも開発するというから、本当に幅広い応用を考えていると感じる。その仕組みは、レアメタルが溶け込んだ廃液の中にそのカプセルを入れると、レアメタルだけがカプセルの表面の膜を透過してカプセル内の微生物に取り込まれる。一定時間経過後にそのカプセルを取り出して燃焼させると、レアメタルだけが残るというものだ。これはすごい技術だな。
でも、こうなると、森下仁丹の「仁丹」という部分はもう生業にそぐわない気がする。でも、伝統的な社名としてずっと残していくのかな。
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後半のマルコメに関しては、味噌商品と、マーケティングを中心とした販売拡大を図っていくというもの。まず登場したのは「液味噌」。そして「糀ジャム」「塩糀」など新しい商品。そして味噌サーバーという、オフィスで手軽に味噌汁が作れる装置の販売など。でも、味噌サーバーは要らないな。オフィスでは、インスタントの味噌汁でいいんじゃないかな?さらに、海外でも味噌を売っていこうということだが。番組を見る限り、日本の味噌をそのまま海外で売ろうとしているらしい。味噌汁は日本のソウルフードだから、海外の人の舌・味覚にはなかなか合わないんじゃないかな?海外では、外国人の味覚にあった新しい味噌の開発が必要だと思うが。
前半の森下仁丹に比べると、後半のマルコメに関しては「まだ自分の殻を打ち破れていない」という印象を持った。味噌~糀~バイオ技術というところから新しい商品開発につなげていかなくて良いのかな。