オイコノミア(2012/06/26放送分)

今回のタイトルは「子供は嫌いじゃないけれど」(前編)ということで、少子化問題がテーマ。
番組冒頭のインタビューで回答者が「少子化(問題)に反対って」言われてもね。
で、出生率をみてみると、あのV字が。懐かしい、丙午とか出てきたよ。
少子化はローマの時代から合ったというのは初耳だった。当時のローマは自由を謳歌し、結婚や出産を敬遠するようになったそうだ。そこで時の皇帝は、結婚している男性の昇進を優遇したり、子供のいない女性の相続を制限したりする政策を採ったというのはずいぶんと
ということで、子育ても経済行動だとすると、その価格と需要から考えようと言うことだった。
1.教育費が上がっている。つまり、子育てコストの上昇が子供を作ることを敬遠する理由になっているということ。また、経済的に余裕がある人も、量よりも質ということで少ない子供に集中的に投資しているということ。ま、近頃は塾や予備校に行くのは当たり前の時代だものね。
2.子育てに取られる時間がコストになっている。母親が出産と子育ての期間中に働いていたとした場合の機会費用が大きいと言うこと。つまり、女性の社会進出が子育ての機会費用を上げていくことになっているということだった。

内容としてはこんな感じか。
経済学に関する用語として出てきたのは、
・マルサスの人口論
・人口オーナス
くらいかな。
今回は社会派の討論番組みたいだった。あまり、経済学的なものが前面に出てこなかったな。
何にせよ、日本の少子高齢化は世界で類を見ない早さで進行しており、矢継ぎ早に手を打っていかないと手遅れになるよね。
で、今週はいろいろあって遅くなってしまった。もうすぐ周回遅れになるところだった。

ガイアの夜明け(2012/06/26放送分)

あなたの知らない アウトレットの真実」というタイトルで、昨今のアウトレットの実情を追うというもの。
まずは、アウトレット・モールは全国に広がりを見せており、過当競争の時代に入ったということで、売り上げは頭打ちで客単価も下がっているのではないかという分析。象徴的な出来事として、日本初のアウトレットモールとして埼玉県ふじみ野市にオープンした「リズム」が廃業したことが紹介されていた。昔ふじみ野市に住んでいた身としては複雑な気分。現在全国にアウトレットモールを展開しているのは、2強と呼ばれる「三井アウトレットモール」と「プレミアムアウトレット(チェルシー・ジャパン)」ということだった。
その中で、各アウトレット・モールは独自の工夫をしていた。例えば番組で紹介されていた木更津のアウトレットは地域の有名な飲食店をフードコートに誘致していたり、他のところでも、子供や父親など(買い物につきあっている人たち)をターゲットにした遊具施設などを設けたりしていた。これは、アウトレット店舗の出店数や品揃えなど本質的な部分での差別化ができなくなってきたので、付加的なサービスで勝負しようと言うことなのだろうな。
次に紹介されていたのはアウトレット商品の話。アパレル・メーカーなどは「本来の」検品NG品や在庫品だけでは、全てのアウトレットの店舗に供給できなくなっている。かといって、店舗の品揃えが不足すると機会損失を招いてしまう。店舗間では商品の争奪戦が巻き起こることになり、一方でメーカー側は供給を増やす必要が生じている。ということで、メーカーは2つの戦略をとっていた。
1つめは「アウトレット専用商品」の開発。これって、本来のアウトレットではないじゃん!そういう批判はともかく、正規の店舗に卸す商品とはデザインを少し変えて(主に簡素化して)アウトレット向けの商品としてアウトレットの店舗に卸していると言うことだった。アウトレットの魅力って、正規品を安く買うことだと思っていたが、このやりかたはどうなのだろう。でも、番組内のアンケートによると、アウトレットの本来の意味を知っている人はあまりいなかった。つまり、SCと同じ感覚でアウトレット・モールに来ているんだね。だとしたら、専用商品を開発することもありかなと思った。
2つめはさらにびっくりで「どこのメーカーが作ったともしれない商品に自社のタグをつけてアウトレットで売る」ということ。韓国の繊維街を取材していたが、そこで日本のバイヤーがタグやロゴの入っていない衣料品を買い付けて、とある場所で自社のタグをつけてもらって日本に輸出していた。これは消費者を裏切っていないか?もちろん、自社のタグをつけることは違法にはならない(偽ブランドじゃないしね)。さらにバイヤーは品質も見極めて商品を買いつけているということで、粗悪品を売りつけているわけでもない。でも、消費者は少なくとも「そのメーカーの正規のデザイナー」がデザインした衣料品だと思っているはずだし、その思いと違う商品を「そうと知らせずに」売ることは、企業倫理としてどうだろう?
アパレルの実態としては、国内でデザインしたものを海外で生地の調達、縫製しているのが常だから、確かに「どこまでが自社製品」?ということは感じる。しかし、出来合いの商品を購入して自社のタグをつけることは、少なくともブランドと一体になったデザイン的なセンスというか統一感まで失ってしまうのではないかな?そうなると、中長期的にはブランドイメージの低下を招くのではないか?
で、思い出したけれど、牛とかウナギとか、そういう食品関連でも「○○産」と(ブランド力のある地名が)書いてあるが、これも別の地域で生まれてある程度育ってから、その(ブランド力のある)地域に持って行き、出荷できる段階まで育てて出荷しているところもあるから、似たようなものかな。
話を番組に戻して、最後はネット上のアウトレット・モールの話。前述の通り、アウトレット商品の争奪戦が激しさを増している中、紹介されていたネット上のアウトレット・モール運営会社は、自社倉庫を設けていた。ネットの強みとして、正規品とアウトレット品を同時に提供できること。つまり、すごく気に入ったデザインの服があれば正規品を購入し、そうでないものに関してはアウトレット品を購入するとかね。そういえば、Amazonの書籍通販も、新品と中古品を選択して購入できるから似たようなものかな?

アウトレット・モールも目新しさが受けて来店する客が増えるという事態は終わりを告げつつあると思う。今後は本質的な部分と副次的な部分でいかに他店と差別化できるかが勝敗を分ける鍵になる気がするな~。
でもやはり、本来のアウトレット品でないものをアウトレットの店舗で売ることに関しては違和感が残るな~。

未来世紀ジパング(2012/06/25放送分)

【ユーロ動乱第2弾 揺れる通貨・・・その行方】ということで、総選挙後のギリシャ国内情勢を中心に、ユーロの行方を占うもの。番組では、ドイツ人夫とギリシャ人妻の家族の目を通して、総選挙を見ていたが、家族の中でも賛成反対に分かれると言うから、本当にぎりぎりの選択なんだろうな。
番組冒頭では、ギリシャ国内の銀行から預金が毎日800億円引き出されていると言うから、驚きだ。財政が破綻して銀行がつぶれても「通貨ユーロ」の価値は下がらないから、タンス預金にしているらしい。これって、一般的には自国の経済が破綻したら自国の通貨が紙切れになるのだけれど。そうならないのは、つまりそのユーロの信用はドイツやフランスなど支援国が支えているのだけれどね。財政基盤の弱い国を強い国が支えることになってしまうと言うのが、共通通貨ユーロを運営していくことの難しさだね。
また、ギリシャから多数の人が海外に脱出していることも紹介されていた。これは過大に演出している一面もあるかも知れないが、これも共通通貨ユーロを持っていれば、圏内の他の国で生活できるということで、国としてのギリシャを見限っている人もいると言うことだよね。緊縮派が勝利した総選挙の裏側で、ギリシャ国内の実態としては破滅が歩み寄っていると言うことなのかも知れない。
ギリシャ人は、第二次世界大戦を引き合いに出して独国がギリシャを支援するのは当たり前だと言っているし、ドイツ人は、ギリシャ人はお金もないのに贅沢ばかりして遊んでいると言っている。これらの発言が多数派なのかどうかは分からないが、両国民の感情的な対立が大きいのだとしたら、ドイツの政策がギリシャ許すまじと言う方向に舵を切るかも知れない。
ところで、ギリシャの総選挙の仕組みが紹介されていたけれど、第一党には自動的に50議席が加算されるってすごい制度だ。第一党による安定的な政権を行うための制度なのだろうけれど・・・。その50議席をさっ引いた実際の得票率を見ると、緊縮反対派(2党合わせて)が過半数を取っているんだよね。これでは「財政緊縮派が勝利!」ってそれこそ「まやかし」だ。
番組の後半では、前述の家族の中で妻の弟(ギリシャ人)をドイツで働かせようと言うことだった。しかし、ドイツ語をあまり話せない彼がドイツに行って仕事ができるのか、ちょっと心配だ。彼の後日談も聞きたいな。

ということで今週の未来予測は「ドイツ ユーロ離脱」という衝撃的な内容。これって、経済学で言うところの逆選択だね。経済の水準を低い方に合わせたら、水準の高い方は負担が大きくなって、そのグループから離脱するというやつ。そして、弱者の集まりになってしまうと言うやつだね。そして、実際に独国がユーロから離脱したら、ユーロは大暴落だろうな。というか、世界経済が大混乱に陥るよ。実のところ、独国はマルク単独でも何とかやっていけると踏んでいるかも知れない。でも、ユーロ圏の他の国々は独国の離脱を回避させようとするから、そうなると独国離脱よりもギリシャ追放の法が現実味がある気がする。
現在のユーロ圏は規模の拡大を急いだために、本来圏内に入る資格を持っていない国々まで入れてしまった感がある。今後しばらく新たにユーロに参加する国は出てこないだろう、といか審査基準が厳格化されて入りたくても入れないだろう。また、追い出される国も出るんじゃないだろうか。っていうかそれはギリシャなんじゃないの?でも、ギリシャもいったんユーロ圏から離脱して独自通貨に戻った方が、良いのではないかな。
しばらくは、ユーロ情勢は混迷を続けるのだろうな。

アジアの風(2012/06/23放送分)

今回の主役は、岐阜県山県市の田中金属製作所。水栓バルブがメインのメーカーだが、部品メーカーや下請を脱却するために独自開発したシャワーヘッド「アリアミスト」をアジアに売り込むというもの。
特徴は、従来型に比べて35%節水能力があるということと、洗浄力が強いということ。水流に空気を取り込むことによってビート効果のようなものを生み出して、節水と洗浄力を実現していると言うことだ。国内では大型銭湯や自衛隊でも採用されているということだった。
これをまず中国に売り込もうというもの。建材や内装込みで販売される住宅が増えているということと、日本製は高性能というイメージが付いていることで、市場性は高い。社長は、自社が小規模な会社なので、中国に営業を常駐する余力がないということだったが、現地で販売会社を作ることを提案されていた。そういうコネがないところが問題なのだろうと思ったが・・・。
もうひとつ、社長が売り込みたい国がシンガポールだった。シンガポールは、国を挙げて節水に取り組んでいると言うことで期待大だったが、アナリストの評価は低かった。というのもまだ、国民一人一人が節水という意識が高くなく、高価な節水製品を購入する市場行動は起きていないと言うことである。現地企業との提携に関しては、行政の支援が得られる可能性も有り、ビジネス・チャンスはありそうだということだった。
で、最後に番組ナビゲーターが、「商品自体に、商品名や会社名が入っていない」ということを指摘していたが、まさにそうだね~~。ブランドを構築していくためには、商品名や企業名を前面に押し出すようにしなければね。デザインもある程度考えた方が良いかも。

マネーの羅針盤(2012/06/23放送分)

ボーナスの話。千葉県のマルエイ(以前、ガイアの夜明けでも放送されたスーパー)では、千円札で支給。厚さの差が顕著で、従業員のモチベーションアップ向上を意図したものらしい。
ということでボーナスの使い方だが、
・ローンを繰り上げ返済(住宅ローンなど)
・払えるものはまとめ払い(生命保険など)
ということだった。これは、まさにその通りだね。私も住宅ローンの一部を繰り上げ返済したらずいぶんと残高が減った。
で、なぜか「蓄財の神様」本田静六氏の言葉が出てきた。
 ・収入の1/4と臨時収入はとにかく貯蓄しろ
 ・ある程度お金のたまったところで賢く投資しろ
 ・ただし無理なく最善のチャンスがくるまでじっくり待て!
でも、収入の1/4も貯蓄できるのか・・・。

NY市況であるが、木曜日のダウ平均が今年2番目の下げ幅を記録した。これは、FRBが米国の成長予想を下方修正したこと、製造業の経済指標が予想を遙かに下回ったため。また、ヨーロッパや中国でも経済指標が悪化し、世界規模で成長が鈍化すると言う観測が出ている。
為替では、円売りが進み、対$では1ヶ月ぶりの80円台回復した。
原油は5.1%の下落で、8ヶ月ぶりに$80を割り込んだ。背景としては、世界的な需要の低迷と産油国の増産が挙げられる。
ということで、ギリシアの危機が当面回避されることになり市場は安定を取り戻すかと思いきや、世界的な経済成長の鈍化による、市場の混乱は続いていると言ったところ。世界的に資金が余剰であり、その余剰資金がちょっとした市場の変化に対して過剰に流動して、それが市況の数値を実数以上に変化させていると言うところか。いわば「薄皿に水を満たして片手で支える」ような不安定ぶりだな~。

カンブリア宮殿(2012/06/21放送分)

今回のテーマは【日本の旅行を変えろ!!一泊5250円の”最強宿”】ということで、四季リゾーツの山中直樹氏がゲスト。箱根を中心にリゾート・ホテルを展開してる会社である。
特徴としては、
・大手会社の保養所などを無償で借り上げて、それをリゾートホテルとして運営している
・料金は年間を通して一律5,250円~
・従業員は多能工化して人件費を削減
・さらに従業員は、一つの施設に固定せず、予約状況によって柔軟に再配置
ということだった。
企業の保養所は、バブル崩壊以前に多く建設されたが、その後は企業にとってのお荷物的な存在になっている。そこを無償で借り上げて運営費などを負担し、その代わりに空き部屋を一般利用者向けに解放するというものである。
また、宿一棟丸ごと貸し切りプランというのもあった。番組では、親戚が一堂に会して祖母の喜寿祝いをしていた。確かに泊まりがけで親類の祝い事をするときに貸し切りだと、他の人を気にしなくて良いのでありがたいと思った。こういうのは、昔は実家の本家にみな集まってやったのだろうけれど、最近では大きな作りの本家というのもあまり見かけなくなり、親類一同が集まる機会も少なくなったなと感じているので、このサービスはありがたい。北部九州地区でもこのようなサービスをする宿屋はないものか。
コスト削減に関しては、宿泊客がチェックアウトした後すぐに室内の電源を切ったり、温泉を使わない時間帯にはボイラーを切ったりと、地道な努力をしていた。

山中氏は「誰もが逃げ出したくなるような状況で逃げ出さない人が他人の信用を得られる。」ということを父親から教わって、それを守ってきたと言っていたが、成功する人に共通する考え方かも知れないな。
番組の紹介ビデオで、山中氏はトイレを一心不乱に掃除していたが、イエローハットを彷彿させるな~~。

ということで、今回は(村上龍氏も言っていたが)本番組に登場する「典型的な」企業だった。顧客の視点に立つと言うこと、内部のコストを削減すると言うことを実直に行っているということだね。

来週はJALだ!。稲盛さんも出演するのかな。

オイコノミア(2012/06/19放送分)

「消費税ってどうでしょう」(後編)ということで、消費税を中心とした税金の話の後編。
まずは、又吉さんが街頭で新しい税金を考えるインタビュー。その中で前回放送で取り上げた税金の三原則のおさらい「簡素」「中立」「公平」。その後、インタビューを元にした又吉さんと経済学者の大竹文雄氏との対談では、「ビューティープレミアム」や「身長プレミアム」もおさらいとして出てきた。その対談の中では新しい税として「犬税」が出てきたが、これは独国で実際にあることは知っていた。危険犬種だと税が高額になるというのは初めて知ったが・・・。
対談は引き続き、税の役割の話へと移る。このあたりは昔々の大学講義を思い出して懐かしい。その役割とは以下のようなもの。
・富の再分配機能
・公共サービスの費用調達機能
・景気の調整機能
・経済行動への誘因効果
で、4番目の「経済行動への誘因効果」の話の中で「環境税」「炭素税」などいわゆるピグ-税が出てきた。ユニークなピグ-税としては最近話題になった「ポテチ税(ハンガリー)」や米国・ニューヨーク州で導入が検討されている「清涼飲料税」の話も出てきた。この辺の説明、今回は分かりやすかった。
で、日本の歳入の話。50%弱が公債金なのだが、この辺は説明が軽かったぞ。もう少し「深刻さ」をアピールした方が良いのでは?
ビデオで「品川スチューデントシティ」が紹介されていた。子供の頃から税金の仕組みに関する教育を行うと、税金に対する理解が深まるという話に関しては、その通りだなと感じる。子供の頃から社会の仕組みに関して考えさせるのは良いことだ。
税金の役割として公共サービスの費用調達機能というところから、「市場の失敗」の話。説明はフリーライダーから始まったが、結局税金とは助け合いの中から出てきたということだった。又吉さんのお父さんの出身地である沖縄の伝統「結(ゆい)」や租庸調の「庸」などはまさにそうだと言うことだった。
で最後は、税金の使われ方が分からないという話だが、それは勿論使う側の説明が不十分だと言うことが言いたいのだろうが、払う側も無関心だという議論にならなかったのは残念。

今回は対談がメインだったが、以前よりは明るい部屋で良い雰囲気だった。内容としては、昔聴いた講義を彷彿とさせる内容で、忘れていた記憶が思い出されて良かったな。

ガイアの夜明け(2012/06/19放送分)

日本最大手のASICSは世界では4番手に甘んじているが、そろそろ世界3位、PUMAの背中が見えるところまで来た。でも、今回は、PUMAでも、世界最大手のNIKEでもなくて2位のaddidasとの対決話。
ということで、直前に迫ったロンドン・オリンピックに向けてのシューズ開発競争がテーマなのだった。内容としては、ASICSの開発を中心にしたものだった。開発チームは合わせて40名ほどだった。オリンピック選手向けのシューズって、ずいぶんと力を入れて開発されているのだなという感じだった。例えば、モーション・キャプチャーを使った足の裏(ソール)の動きの解析や、新素材(カーボン・ファイバー)を部分的に使うなど。いったい、1足あたりどのくらいするのやら。
というのも、オリンピックなどはスポーツ用品メーカーにとっては絶好の宣伝の機会であるから。契約している選手が良い成績を収めることが、自社ブランドの強化や売り上げ増加につながるからね。
ASICS側の開発責任者は40代の若手。数年前にカリスマ開発者が定年退職した後、リーダーを任されたということだったが、なんとそのカリスマ開発者はaddidasと専属契約し、その日本国内開発拠点でシューズの開発を行っていた。集散離合は兵家の常とはまさにこのこと。でも、「師弟対決がテーマかな」と思ったが、両者が直接対峙する場面はなし。ちょっと肩すかしか。これは本番までのお楽しみと言うことかな。

でも、今回の番組で、相手として登場したのはaddidasだったが、これは(一部でも)開発現場の取材を許可してくれたのがaddidasだけだったということのような気がしてならない。開発現場は秘中の秘だから、オリンピック直前のこの時期に取材させてくれるところなどないだろう。そこで、2位、4位対決という、ちょっと変則的な番組構成に・・・。番組の最初に各社の売上高を見せ、「Pumaを目標に捉えられるところまで来た」という話を切り出した割には、その後Pumaが登場しなかったのは残念だ。仕方がないと言えば仕方がないのだが、ちぐはぐな印象を受けたな。

未来世紀ジパング(2012/06/18放送分)

「知られざる石油大国 カナダ」ということで、カナダを世界第二位の石油埋蔵量にした「オイル・サンド」の話。ちなみに、これは砂岩由来のものであり、頁岩由来のものは「オイル・シェール」と呼ばれている。カナダのアルバータ州周辺で取れるものはオイル・サンドである。
で、オイル・サンドは露天掘りで、地面を削るようにして採掘している。さぞ環境に悪影響を与えるだろうと思っていたら、やはり環境問題があるらしい。オイル・サンドの分布しているのは、カナダの森林地帯だから、その森の木を伐採するところから始めないといけないし、精製の過程で油が廃棄されるし、抽出後の出がらし?の砂も廃棄されるし・・・。それに森林伐採や抽出した石油を利用することでも地球温暖化に拍車がかかるし~~。カナダではオイルサンド採掘が終わった土地に植林することが義務づけられていると言うけれど・・・。そして、非在来型石油資源を合計すると世界の石油使用量の150年分あるって、いったいどれだけ石油を使うつもりなんだか。
カナダ・アルバータ州のフォートマクマレーという町は今黒いゴールドラッシュに沸いているそうで。以前7,000人の人口が10万人を超えているということだ。ダンプの運転手で、週に$2,000くらいもらえるそう、現場の管理者だとその4~5倍はもらっているらしいから、人も集まるだろうな。でも、なんか日本の炭鉱城下町を見ているようだった。って、私は実際にはそんな世代ではないですよ、はい。衰退した後の町を見たことがある程度。
ところで、オイル・サンドから石油を抽出するためには、油井よりもコストがかかるので、原油の価格がある程度高くなければ採算が取れない。番組では$50/1バレル以上で採算が合うと言っていた。今は$100弱なので、十分採算が取れると言うことらしい。
日系企業がサグディー法という、地下のオイルサンド層から直接石油を抽出する技術で石油を採掘しているところを紹介していたが、これって手前味噌な気が・・・。

で、未来予測は、カナダのオイルサンドで、石油価格が下落してアジアにも恩恵があるということだったが・・・それはたいした予測でもないか・・・(なんだか最近辛口だ~~)。
日本周辺にもメタンハイドレートという非在来型石油資源があり、そこから天然ガスを抽出する技術が実用化されれば、日本のエネルギー問題は一気に解決・・・と言われているが、CO2を排出するエネルギーばかりでなく、もっと環境に負荷をかけないエネルギーの開発もアピールしてほしいな。
番組の最後に出演者のパックンが言っていた「節電資源」(つまり節電することも一つの資源だ)というのがいちばん印象に残った・・・。
あ、そういえば、別番組だけれどNHKのサイエンスZERO、次回は人工光合成の話。光合成はCO2を取り込むから地球温暖化対策の切り札になる・・・かも。楽しみ~~。

アジアの風(2012/06/16放送分)

大阪府吹田市にある、スーパー浄水器メーカーのニューメディカ・テックが登場。ところで、このメーカーのサイト、なぜorドメインなの?
デモでは、ウーロン茶やその他調味料を混ぜた水や、大阪湾の海水を浄水していたから、塩分も除去できるということだね。つまり、淡水化装置としても使えると言うことだ。それから、東日本大震災では、放射性物質を含んだ水から、その除去に成功したということで被災地に無償貸し出しも行っているらしい。
技術的には、0.1nmの穴を持った膜である、逆浸透膜(RO膜)を使うことで、今までにない浄水力を実現しているものである。他にもいろいろ工夫しているらしいが、細かいところは企業秘密だそうで。こうして濾過した水は無味無臭で味も全くないので、最終段階でミネラル分を付与していると言うことだった。
製品には、家庭用、業務用、災害用などバリエーションがあるが、少し高めの気がする。フィルターも交換しなければいけないから、ランニングコストもかかるな。でも、市販のミネラルウォーターを買い続けるよりも、安くなると言う計算だそうだ。
この浄水器を、安全ではない水を飲んでいる東南アジア地域に売り込みたいというもの。まずは中国だが、専門家の意見としては、月収が2~5万円に対して、価格面がネックと言うことだった。次にインドネシアであるが、市場性が高かった。番組では、業務用として、日本の外食産業で現地に進出しているところをターゲットにできないかということだった。
さらに、現在JICAでは、ODAの予算を提案型で使っているそうで、途上国に対して有益な製品の導入にはODAの補助も受けられるのではないかという話だった。

でも、東南アジアで「おなかを壊す」のは日本人だけだそうで・・・。日本人は清潔な生活に浸りきっているので、雑菌などに対する耐性がなくなってしまっている・・・というか逆に弱くなっているような気がするのは私だけかな。妊婦がかかると胎児に先天性の異常が起こるというサイトメガロウイルスに関しても、先進国では深刻であるが、他の国々では子供の頃などに感染して免疫ができており、妊婦が罹患して胎児に影響が出ることはないのだそうだ。
でも、確かに病気やけがで抵抗力が衰えている人や、手術や治療の時には安全な水が必要だと思うから、病院なんかに売り込むのはどうなのだろうか。この製品は、ミネラル分を後付けしているけれど、病院で洗浄や消毒に使う際には味は必要ないから、その機能は外して使うと言うことで・・・。