アジアの風(2012/06/30放送分)

三重県にある「錦見鋳造」が、「魔法のフライパン」を海外(中国、香港と上海)で売っていこうというのがテーマ。このフライパンは価格がなんと10,500円という。でも大手ホームセンターの売り場では7ヶ月待ちの状態だとか。でも、これってすでに機会損失が発生しているじゃん。海外に売り込む前に国内での生産体制強化が喫緊の課題ではないの??
で、このフライパンの特徴は、火が通るのが早いということ。アルミやステンレスに比べても早いというから驚き!。それは、フライパンの厚さが1.5mmと、普通のフライパンの半分しかないということが理由らしい。このフライパンは鋳造で作っているのだが、鉄の鋳物の場合、厚さは4~5mmくらいがミニマムでそれ以下にするのは不可能だといわれていたらしい。それを独自の製法で可能にして販売したところ、人気を呼んでいるのだそうだ。
技術的には、銑鉄は炭素が多い方が柔らかいが、炭素が多くなると強度が落ちる。実際に試行錯誤していたときは、柔らかさと強度のバランスに苦労したそうだ。それがあるとき間違って、想定の倍の炭素を入れてしまったが、そのときに、強度が落ちなかったという。たまたま失敗したことから、成功の種を見つけるなんてかっこいいな。
しかし、そのときは1.2kgの重量で、家庭で女性が扱える重さではなかった。ということで、その後鋳型を改良して、薄いフライパンができるようになったとのこと。
それを料理の本場である中国に売り込もうと意気込んでいるわけだ。
で、アナリストの評価だが、上海では価格の評価が最低だった。中国って、調理器具に30%も関税がかかるの~~。知らなかったよ。ということで、価格がいちばんのネックだが、機能をもっとアピールできれば、売れないことはないだろうということだった。中国人は「魔法」という言葉に弱いと言っていたな。口コミを使うのがよいのでは?ということで「ウェイボー」などを使うことも考えた方が良いというアドバイスだった。
香港では、逆に将来性の評価が低かった。市場はもう飽和状態だということで、将来性が低いと言うことだった。やはり、機能を実際に見せれば売れる機会がある。シティスーパーと言われる香港の高級スーパーなどで売り込んでいくのが重要ではないかと言うことだった。

ということで、勿論自社製品を海外に売っていこうという挑戦意欲はすばらしいと思う。しかし、せっかく薄い鋳物を作るオンリーワンの技術があるのだから、その技術をベースに他の鋳物製品を作るようなことはしないのかな?今までは鋳造で実現不可と言われていたものとかあるのではないかな?

ところで、この番組のナレーターは「谷内里早」さんという女優らしいが、オープニングとかアイキャッチで旗を振っている女性がその人だったのね。すごく汚れた服を着て旗を振っているし、煤メイクなんかもしているのは「小さな挑戦者」のイメージなんだそうだ。でも、振っているのが「白旗」なのが気になる。降参しているのか・・・