「幸せになりたい・・・」(前編)と題して、幸福と経済学の話の前編。
まずは、幸福度の話。「幸福度のパラドックス」として、一人あたりの実質GDPの上昇に対して幸福度が上昇していないことを指摘。次に、性別・年齢別の幸福度の話で、40代~50代の男性がいちばん幸福度が低い。また、年収別の幸福度としては、年収が増加すると幸福度は上昇するが、1,000万円前後と2,000万円手前で幸福度が少し下がる。さらに都道府県別幸福度の話が出てきた。しかし、これらの話に関して他のデータとの相関性に具体性がなく、なんだかなぁという感じ。
そして、所得に関しては、「相対所得仮説」の話に言及。これは人が他人と比較して幸福を感じていると言うことで、他人より待遇が高ければ幸福を感じ、低ければ幸福を感じないというもの。
今の日本では20代の若者の幸福度が、「失業率が高止まりしているにもかかわらず」低くなっていないということも、相対所得仮説から説明が付く。
ということで、最近の研究では人間は絶対的な幸福は感じにくく、他人との比較や、自分の過去との比較によって幸福度を感じると言うこと。だから、幸福を持続させるためには、常に新しい発見やチャレンジを行っていることが重要だ。
幸福の研究というのは続いているのだが、なかなか掴み所の無い物で、定量的に図ることができない。でも、経済活動においては幸福度というのは消費などに影響を及ぼす重要な因子であり、多方面からのアプローチが続いていると言うこと。
次回は後編だが、このテーマに関して結論が出るのかちょっと不安・・・。