[WSL] Windows Subsystem for Linux の実験1(インストール編)

WindowsからLinuxのコマンドを実行したりLinuxの機能を利用したりする方法はいくつかあります。従前にはVMWareやVertialBoxなどサードパーティーが提供する仮想化アプリケーション上で他のOSをインストールして実行するという方法が主体でしたが、Windowsのカーネル自体の進化によりSuperVisor化されることにより、Windows自身の機能としてLinuxを動作させることができるようになってきました。

本記事で紹介するのは「Windows Subsystem for Linux」と呼ばれる機能です。本機能は「Anniversary Update (1607)」にて実装されましたが、この時点ではまだ開発者向けという位置づけでした。「Fall Creators Update (1709)」にて正式版としてアナウンスされ、誰でもLinuxの機能を利用できるようになりました。

Windows Subsysutem for LinuxではWindows環境との親和性やWindowsアプリケーションとの連携の容易さなどが優れています。実行時の速度に関してもLinuxのバイナリがそのまま実行されるため、再ビルドの必要がありません。IOへのアクセスやメモリ等に関してはSuperVisorが介在するためネイティブなサーバーには劣ると思われますが、クリティカルな用途でなければ問題ないでしょう。

今回はWindows Subsystem for Linuxの設定方法とLinuxのディストリビューションの一つであるUbuntuのインストール方法について説明します。

なぜ今の機会にこの記事を書いているかというと、私の仕事のうち、補助金等の申請受付の仕事が一覧楽して時間に余裕があるからなのです。せっかくWindows10のPCがたくさんあるのにその機能を使いこなしていないのもあれですから・・・。ちょっといろいろと試してみようということです。


1.Windows Subsystem for Linuxの有効化

Windows Subsystem for Linux(以下WSL)は、Windows10にあらかじめ実装されている機能です。しかしながら有効化されていないので、このままでは利用不可能です。そこで、WSLを有効化する方法を説明します。

まず、「スタートメニュー」をクリックします。

設定(歯車のアイコン)をクリックすると設定画面が開きます。

アプリをクリックします。「アプリと機能」画面が表示されます。
画面右側を下にスクロールしていくと「関連設定」という項目があります。

「プログラムと機能」をクリックすると、プログラムのアンインストールまたは変更画面が表示されます。

Window左側の「Windowsの機能の有効かまたは無効化」をクリックします。Windows機能の一覧が表示されます。

目的の機能はかなり下部にありますので、下にスクロールします。「Windows Subsystem for Linux」が見つかります。

「Windows Subsystem for Linux」のチェックボックスをチェックします。

「OK」をクリックするとインストールが開始されます。

インストールが完了すると再起動を促されますので、再起動します。

これで「Windows Subsystem for Linux」のセットアップが完了しました。


2.Ubuntuのインストール方法

引き続き、Ubuntuをインストールします。

UbuntuはMicrosoft Storeからダウンロードします。Microsoft Storeを開きます。

「Ubuntu」というキーワードで検索してみます。

あるいは「Linux」というキーワードで検索してみます。

Ubuntuはどのバージョンでも良いとは思いますが、ここでは無印のUbuntuを選択します(無印のUbuntuのバージョンは18.04.1のLTS(Long Term Support)でした)。※LTSとは、Ubuntuのコミュニティが本バージョンに対して長期間に渡ってバグやセキュリティの対応を行っていきますと宣言しているものです。Serverなど長期にわたる運用が必要な用途に向いているということになります。

当然、無料と記載されています。「入手」をクリックします。インストールが開始されます。

しばらくすると、インストールが完了します。

これでインストールは完了です。スタートメニューからUbuntuをクリックしたり、コマンドラインから「Ubuntu」と入力することによりUbuntuのコンソールが起動します。

Linuxの持つ豊富なコマンドラインが活用できるようになりました。

でも、Linuxと言えばX Window Systemですよね。次回はX Window System を設定してみましょう。