毎年5月5日に山口県岩国市の米軍海兵隊岩国基地で開催されるフレンドシップデイ(航空祭)にて、海上自衛隊のヘリコプターのダウンウォッシュ(ヘリコプターのメインローターが巻き起こす強い下向きの風)によりエプロン地区のテントが吹き飛ばされて、テントの下敷きになった人のうち9人が重軽傷を負う事故が発生しました。
今までは毎年行っていましたが、実は今年は行かなかったのですよ。理由は、展示飛行があまり無いと思われたからです。
ここ数年、岩国基地に所属する部隊の展示飛行がほとんど行われていませんでした。理由は、部隊の大部分が海外(タイ)で開催されているコブラゴールドという演習に出ているためです。コブラゴールド演習は、例年この時期に行われているようです。
それでも、ブルーインパルスが飛来するのであれば行くところですが、今年はそれも無し。GWに入る前の週間天気予報では、天候も余りよくなさそうでした。
これらの状況から、今年の出撃はしないことにしていました。
そこで、こんな事故が起きるとは。
行かなくて助かりました。
海上自衛隊のヘリコプターはMH-53Eという大型のやつらしいです。頭に「M」と付いていますから掃海ヘリコプターです。このヘリコプターが巻き起こすダウンウォッシュは相当なものでしょう。
事故原因ですが、例のテントは、去年からエプロン地区の展示飛行観覧エリアの最前列に置かれていたものだろうと思います。去年の例で言えば、ブルーインパルスの駐機している場所の真正面でしたので、ブルーインパルスの地上シーンを撮影する際のじゃまになって仕方がありませんでした。テントは、招待者用の貴賓席でした。
昨年はブルーが駐機していたので、ヘリコプターの展示飛行などはその奥の滑走路上で行っていましたが、今年はブルーがいない分、少し手前で展示飛行を行ったと言うことでしょう。(推測ですが、多分誘導路上・・・つまり、ブルーが駐機していた場所あたりではないでしょうか。)
確かにあのテントは、地上に杭とロープでつながれているわけではないようでした。(そもそもエプロン地区は地面がコンクリートなので、杭は打ち付けられませんが。)昨年はたまたま吹き飛ばなかっただけといった方がいいかも知れません。
迫力ある飛行展示は航空祭の売りの一つですが、安全面の配慮も考えてほしいものです。(もちろん考えていることとは思いますが、事故の内容から推測すると、主催者側と演技する側との調整など不十分だったのではと思われます。)貴賓席に日よけのテントが必要であれば、エプロン地区のロープ際から下がったところに段を設けて少し高い場所を作り、そこにテントを張るようにするなどの配慮が必要でしょう。(しかし、そもそも飛行展示を見るのにテントの中から見ようと言うほうが無理がありますよね。)
怪我をされた方々の一日も早い回復と、安全面に配慮しかつ迫力のある展示飛行が行われる航空祭の実施を切に願います。