オイコノミア(2012/09/18放送分)

「内定が欲しい!」(後編)とうことで、前回の続き。
まずは、又吉さんがエントリーシートに書いた内容を、就活塾の講師に評価してもらう話。ここは、全く経済学とは関係ないな~。
日本大学大学院総合科学研究科准教授…安藤至大が、就活と婚活を比較して解説していたのはおもしろかった。
就活とか婚活の最大の問題は、情報の非対称性があることだ。企業にとっては就活生の能力がよく分からない、逆に就活生も企業の内容がよく分からない。大手企業であればたくさん情報やニュースがあるので分かるが中小企業はよくわからない。この辺は前職でも思い知ったな。情報をアピールするために、「チープトーク」をしても相手に評価してもらえない。そこで、情報の非対称性を埋めるための手段として、シグナリングを行う。学歴や資格は就活のための大切なシグナリングということになる。シグナリングはコストをかけることが重要になるということ。もうひとつの解消方法は、スクリーニングを行うというもの。それは、相手に選択肢や課題を与えてその結果を踏まえて相手の意思を確認するというもの。
さて、別のアプローチとしてSNSを利用した就活も紹介されていた。多くの企業が採用活動にSNSを利用し始めていた。
最後に、情報の非対称性はどうしても解消できないということだった。解消しようとすると莫大な取引費用がかかるためであり、企業もそこまではコストをかけられない。そのために就活では、企業が、多くの学生の一次選考で合理的な方法で足きりや門前払いをしなければいけないと言うことだった。それは統計的差別というものであり、個々人の能力を確認する前に、出身大学などでグループ分けをして差別的な採用をするということ。これは、選別する企業にとっては合理的な判断といえるが、選ばれる学生はたまったものではない。強烈なシグナリングを行わないと、就活で生き残ってはいけないと言うこと。

キーワードとしては、「情報の非対称性」「チープトーク」「シグナリング」「スクリーニング」「合理的差別」あたり。就職活動にも結構経済学的な要素があるなと感じた。

ところで、私は前職の中小企業で、面接とかをしたこともあるのだが、有名大学の院卒とかも中小企業に入ってくるようなご時世。採用活動には力を入れていたが、他の中小企業も「人が集まらない」という前に、もっと採用努力をしてはどうか?