失敗学

 言わずと知れた、「畑村 洋太郎」さんの提唱するエンジニアリング?の考え方です。本当に、人というのは自分の失敗を隠したがります。その失敗が大きければ大きいほどね。でも、人は多くの失敗をします。一般に成功者と呼ばれている人でも、その裏には多くの失敗の積み重ねがあるのです。つまり、成功の情報よりも失敗の情報のほうがその情報料は多いと言うことになります。
 しかしながら、人が失敗を隠したがる傾向があることから、その重要な情報が個人レベルで秘匿されてしまいます。そのため、失敗を次に生かすということが、組織全体で行われることは難しい状況です。
 失敗学というのは、個人レベルで秘匿されている情報を収集し分析することによって失敗を生かそうという考えです。失敗情報を共有することにより、同じ轍を踏まないということが組織全体を通して行えるようになります。そのために、失敗をどのように収集し、分類し、分析するか、を学ぶのが失敗学です。
 この失敗学、出た当初はかなり取り上げられていましたが、近頃はあまり聞かれません。各組織にこの考え方が浸透していったので、あえて騒ぎ立てる必要はないというのであればいいのですが。そうではなくて、導入する方法が分からないだとか、導入しても機能しなかっただとか、そう言う理由で聞かれなくなっているのではないかなと思います。そう言う私も、自分の失敗など個人レベルで蓄積するという段階から抜け出ていません。
 この失敗学は、私の琴線にピーンと来るものがありました。なんとか組織を上げて失敗情報の共有化に努めたいです。
 でも、そうは言っても人は同じ失敗を繰り返すものなのでしょう。「歴史は繰り返す」という言葉が、そのことを端的に表しています。

失敗学」への2件のフィードバック

  1. 失敗を繰り返さないために…

    中野です。
    私達は今「失敗資料化プロジェクト」なるものを行っています。
    大学生によるものづくりでは担当者が入れ替わるのが早いため、失敗の教訓が伝わらずに同じ…

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