最近のアウトレット事情

 アウトレット・モールが盛況である。立地は典型的なロード・サイドであり、幹線道路や高速道路インターチェンジ近くの郊外であることが多い。複数のアウトレット商品を扱う店が集まっている(モール)。また、フードコートなどの飲食施設が併設されていることが多く、一般の商業施設と何ら変わりない。
 そもそものアウトレットの元々の成り立ちは、メーカーが流通段階で発生した、流行遅れ、型落ちなどの在庫(今後販売する見込みがあまりない、いわゆる死蔵在庫)を工場などの一角で在庫品処分用の店舗で販売するところが始まりである。そうした経緯から、当初は心理的に敬遠する向きもあったようだが、製品の機能として問題がないことから次第に客が増加し、ひとつの販売形態として成り立つようになった。その後、メーカー以外の流通業(小売業)なども自店舗の死蔵在庫をアウトレット専用の店舗に集めて販売する状況も見られるようになり、これもアウトレットと呼ばれている。
 アウトレット・モールの特徴は、なんと言っても価格が安いことである。型落ち品であっても最新製品と遜色ない機能を持つものが、比較的安価で手に入ることが最大の魅力である。前述のように、ロード・サイド型の立地なので、比較的大きな荷物でも自家用車で持って帰ることができるのも、魅力である。
 一方で、アウトレット品に対する需要の広がりから、転売目的で購入する人も増えている。彼等は購入した商品をオークションに出品したり、別の小売り会社に引き取ってもらうことで、利ざやを稼いでいるのである。
 転売するのは、経済学の立場から言うと、供給者と需要者との橋渡しをしている訳だから、ある意味流通の役割を果たしており、それを悪とは言わない。しかし、アウトレット業者側が適正価格に設定できていないことが、転売目的で買う人を生み出している、ということもいえるかも知れない。

2012年4月29日 | カテゴリー : ニュース | 投稿者 : assak