未来世紀ジパング

 今週のテーマは「沸騰現場 マカオ」、言わずと知れたアジア、否世界一のカジノリゾートである。初めて知ったのだが、アメリカ・ラスベガスの5倍の売り上げだそうだ。さて、多くの先進国ではカジノを導入している。その中で、日本は数少ないカジノ非導入国である。そこで、マカオのカジノを中心とした社会構造を明らかにして、日本でのカジノの是非について語るものである。
 前半は、カジノの光、つまりメリットに関して語っている。マカオを一つの国として考えた場合、GDP成長率、一人あたりのGDPなどはアジアで群を抜いているし、マカオ市民は医療費や、職業訓練(カジノ関連ではあるが)などが無料である。観光客はカジノだけではなく周辺の観光もするので、外貨を稼ぐことになっているし、マカオ市民にとっては雇用の創出によって収入が安定する。
 後半は、影の部分に関して語っている。まずはカジノによって身を持ち崩す話で、カジノの脇には質店が軒を連ねていることを紹介。質入れされているのが数千万円のアクセサリーというのが桁が違うなと感じる。中国本土の富裕層なんだろうけれど・・・。マカオでは、VIP客の売り上げが全体の8割を占めているそうで、その中には日本の某製紙メーカーの元会長も含まれている・・・らしい。それに、カジノ客を狙った犯罪の発生が挙げられていた。もちろん、マフィアのような組織が抗争を繰り広げているのではないが、掏摸などの窃盗が多発し、治安維持のコストが増加しているとのこと。
 そして最終的な未来予想(結論)としては、3年後に日本にカジノが開かれる、海外から日本に観光客を集めるためにの起爆剤としてうってつけということらしい。。そのために、現在はカジノとはどういうものなのかを一般の人たちに浸透させていく地道な活動が行われている。(体験会とか)
 しかし、私見を述べれば、日本に関しては、カジノ導入に対して次の2つの心理的な障壁があると考えている。
 1.カジノ=>博打=>博徒=>暴力団のように、反社会勢力とつながっているのではないかと疑っている
 2.日本人は伝統的に「額に汗して働く」ことを勤勉と考えている。不労所得は「あぶく銭」と言ったり、「悪銭身につかず」と言ったりして、正しく金銭を得る手段ではないと考えている
 そこで、番組では、カジノ導入に当たっては、「カジノを前面に出さない統合型のリゾートして導入する」「特区などをいくつか作ってその地域で導入する」という意見が出されていた。
 もし、実際に導入されるとなると、今まで日本になかった類いの施設なので、日本人の倫理観に大きな変化が起きること請け合いだ。施設側が、どういうマーケティングをしてどのようなセグメントに訴求していくのか。そして、カジノというものが日本人の中でどう受け入れられていくのかについて、非常に興味をそそられる。